公開日:2022/01/25 -> 更新日:2022/10/29

テニス/バレーネットワイヤーの交換方法

今回は、テニスおよびバレーボールネットのワイヤー交換について、現場の先生方がご自身で対応できるよう、具体的な手順と注意点を詳しくご紹介します。テニスとバレーボールのネットワイヤー交換手順はほとんど同じなので、どちらのスポーツでも参考にしていただけます。

ワイヤーの素材が金属製でもグラスファイバー製でも、また「巻きグセ」がある場合でも、基本的な交換手順は大きく変わりません。交換手順は次の通りです。

  • 1.巻きグセがついている場合はその部分をカット
  • 2.新旧のワイヤー同士をつなぐ
  • 3.旧ワイヤーを引っ張る

1. 巻きグセが付いている部分をカットする

ワイヤーに巻きグセが付いている場合、まずはその部分を物理的に切断しておきます。巻きグセをそのままにしておくと、後の工程でワイヤーが引っかかってしまい、ネットの中から抜けなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。

特に金属製のワイヤーは非常に強固な素材でできていますので、カットする際にはワイヤーカッターを使用することをおすすめします。一般的なハサミやペンチでは切断が難しい場合があります。

ワイヤーカッターでネットのワイヤーを切断

2.新旧のワイヤー同士をつなぐ

ワイヤーの端、巻きグセが付いた部分を取り除いたら、次に交換する古いワイヤーと新しいワイヤーを専用のチューブでつなげます。

このチューブは、長さ10cmほどの太めのストローのような形状をしています。新しい交換用ワイヤーに付属していることも多いでしょう。

新旧のワイヤーをチューブの中でしっかりと密着させたら、ライターなどを使ってチューブを軽くあぶります。すると、チューブが熱で収縮し、ワイヤー同士を強力に固定してくれます。

もし、チューブが付属していない交換用ワイヤーを購入された場合は、ビニールテープでしっかりと巻いて代用することも可能です。ただし、チューブで固定するよりも固定力が弱いため、作業中にワイヤー同士が外れてしまうリスクが少し高まることをご承知おきください。

ワイヤー交換用ビニールチューブ
収縮したワイヤー交換用ビニールチューブ

3.旧ワイヤーを引っ張って新しいワイヤーに入れ替える

新旧のワイヤー同士がしっかりとつながったら、いよいよ古いワイヤーをゆっくりと引き抜いていきます。この工程では、途中でワイヤーがどこかに引っかからないか確認しながら、慎重に行うことが重要です。

古いワイヤーをネットの白帯部分から引き抜いていくと、それに連動して新しいワイヤーが自動的にネットの中に入り込んでいきます。まさに「入れ替わり」の形でワイヤーがセットされていくわけです。

新ワイヤーに入れ替わった状態
ここで再び注意点です。もしワイヤーに巻きグセが付いたまま作業を進めると、この工程でワイヤーが途中で引っかかってしまい、それ以上引き抜けなくなることがあります。最初に巻きグセをカットしておくことが、この後のスムーズな作業に繋がります。
※注意点

取り換え完了

無事にワイヤーが入れ替わったら、最後につないでいたチューブをカッターやハサミで開いて切るなどして、古いワイヤーを取り外します。これで、新しいワイヤーへの交換作業は完了です。

ネット締め器拡大写真

繊維製と鉄製の違い
交換ワイヤーとしてよく使われる「繊維製のワイヤー」は、値段がやや高いですがささくれや巻きグセがほとんど発生せず高い安全性を得られます。

こちらの写真は繊維製のワイヤーを使用したネット締め器。金属製と比較しても遜色なく使用できます。

ネット用ワイヤー交換時の注意点

スポーツネットのワイヤー交換は、今回ご紹介したように、古いワイヤーに新しいワイヤーをつなぎ、引き抜くことで入れ替える方法が一般的です。

そのため、ワイヤー交換をスムーズに行うためには、古いコードの両端がネットから出ている状態であることが非常に重要になります。もし、ネットの中央部分で古いコードが破断してしまっていたり、コードが完全にネットの中に入り込んでしまっていたりする状態だと、今回の方法では交換が困難になります。

そのような場合、ネットの白帯部分を解いてワイヤーを無理やり引き出す必要が出てくることもあり、大変手間と時間がかかります。最悪の場合、ご自身での対応が難しく、お手上げ状態になってしまう可能性も考えられます。

また、古いコードをネットから完全に引き抜いてしまった後で新しいワイヤーを通そうとすると、ワイヤーを通す手間が倍増してしまいます。

このような状況になってしまうと、ワイヤーを交換するよりも、ネットごと新しいものに買い替えたほうが、結果的に費用や手間が安く済むケースもあります。ですので、もしワイヤー交換を予定されている場合は、古いワイヤーには触れず、そのままの状態で保管しておくことをおすすめします。

最後に、価格を優先してテニスやバレーのネットを選ぶと、付属しているワイヤーのほとんどが鉄製であることが多いです。鉄製ワイヤーは、使用しているうちにささくれができたり、巻きグセがつきやすかったりする傾向があります。安全面を考慮すると、なるべく早めに安全性の高い素材のワイヤーに交換することを検討してみましょう。

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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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