公開日:2022/11/28

跳箱上布の張替え手順

跳箱の最上段、皆さんが「ヘッド」と呼ぶ部分にある帆布は、生徒たちが何度も跳ぶことで、どうしても傷んでしまいます。毛羽立ったり、破れたりしているのを見かけることもあるのではないでしょうか。

破れた帆布は見た目が悪いだけでなく、生徒さんの指や爪が引っかかって突き指や骨折につながる危険性も考えられます。しかし、ご安心ください。帆布の張り替えを行うことで、これらのリスクを予防し、跳箱を安全に使い続けることが可能です。

【修理前】と【修理後】のイメージは下記の通り。
比較すると、その違いは一目瞭然です。

修理前: 帆布が毛羽立ち、破れてしまっている状態です。
修理前
修理後: 新しい帆布に張り替えられ、見た目も美しく、安全に使用できる状態になっています。
修理後

張替え作業の事前準備

跳箱の帆布を張り替えるには、いくつかの材料と工具が必要です。作業をスムーズに進めるためにも、事前にしっかりと準備をしておきましょう。

必要な材料を用意する

帆布の張り替えには、主に以下の材料が必要になります。

帆布・サイドベルト・釘・鋲は必須です。
フェルトはクッション性を増すために入れられていますが、既存のものが使える状態であれば、無くてもよい場合もあります。
ただ、たいていの場合はへたってクッション性が落ちているため、取り換えるか補充を要するでしょう。
フェルトを補充することで跳箱の張りと弾力が購入当時に近づきます。

  • 張替え用の帆布・・・丈夫で滑らないもの
  • フェルト・・・クッション材として使用する
  • サイドベルト・・・周囲に巻く
  • 釘×必要な本数・・・帆布やサイドベルトを留める
  • 鋲×必要な本数・・・サイドベルトを留める

これらの材料は、個別に揃えることもできますが、まとめてセットになったものも販売されています。セット品を活用することで、材料の調達がぐっと楽になりますので、ぜひご検討ください。

必要な工具を準備する

跳箱の張り替え作業は、「古い帆布を外す」と「新しい帆布を取り付ける」という2つの大きな工程に分かれます。それぞれの工程で必要になる工具は以下の通りです。

  • バール・・・釘や鋲を外す
  • ハンマー・・・釘や鋲を打つ
  • ハサミorカッター・・・帆布やフェルトをカットする

これらの工具、または同等の役割を果たせるものがあれば、作業を進めることができます。

古いサイドベルトと帆布を取り外す

サイドベルトをはずし、帆布も取り外す

それでは、実際に張り替え作業に入っていきましょう。まずは、古いサイドベルトと帆布を取り外します。
最初に、サイドベルトを外していきます。鋲(びょう)で留められていますのでバール等で引き出しつつ、サイドベルトを外します。
帆布は釘等で留められているので、こちらもバールなどてこの原理でくぎ抜が出来る工具で外します。

サイドベルトをはずし、帆布も取り外す

それでは、実際に張り替え作業に入っていきましょう。まずは、古いサイドベルトと帆布を取り外します。

最初に、跳箱の側面に巻かれているサイドベルトを外します。サイドベルトは鋲でしっかりと留められていますので、バールを使ってテコの原理で引き出しながら慎重に外していきましょう。

サイドベルトが外れたら、次は帆布です。帆布も釘などで留められていますので、サイドベルトと同様にバールなどの工具を使って釘を抜いていきます。この際、木材を傷つけないように注意してください。

フェルトを確認する

帆布を剥がすと、その下にはクッション材としてフェルトが入っています。このフェルトの状態をよく確認してください。

跳箱の種類によっては、フェルトではなくスポンジや藁(わら)が使われていることもあります。既存のクッション材がへたっていたり、破れていたりする場合は、新しいものに交換するか、補充が必要になります。

新しいフェルト・帆布とサイドベルトを取り付ける

古い帆布が外れたら、いよいよ新しい帆布を取り付けていきます。

フェルトを交換or補充する

確認した結果、フェルトの交換や補充が必要であれば、新しいフェルトを適切な大きさにカットし、跳箱のヘッド部分に敷き詰めます。

フェルトは適切なサイズに切って使いましょう。
セット商品(ページ最後に紹介)ならあらかじめサイズを合わせてありますが、跳箱が小さいようであればサイズを合わせて切断します。
フェルトはハサミなどで切ることができます。

これにより、跳箱のクッション性が向上し、安全性も高まります。

帆布を張る

フェルトの準備ができたら、いよいよ新しい帆布を張っていきます。

帆布はやや大きめにカットし、端を内側に折り曲げて跳箱に合わせます。
それでも帆布が大きすぎる場合は適切なサイズにカットしておきます。
帆布を張る際は、まず長辺と短辺のそれぞれ中央の計4か所を仮固定します。これにより、帆布がずれることなく、均等に張ることができます。

長辺と短辺の中央を固定している様子です。

次に、帆布に釘を打って固定していきます。釘を打つ間隔は、厳密な決まりはありませんが、おおよそ4~6cm程度の間隔で打つのが良いでしょう。写真も参考にしてみてください。

跳箱の四隅は、帆布にしわが寄らないように、しっかりと引っ張りながら釘で固定します。ここがポイントです。しわなくきれいに張ることで、仕上がりが格段に良くなります。

余った帆布は、ハサミやカッターで丁寧に切り取ります。

サイドベルトを取り付ける

帆布がしっかりと張れたら、最後にサイドベルトを取り付けます。
サイドベルトは釘の目隠し、ひっかかり防止、装飾等の目的で付けられています。
帆布を留めた釘が隠れるようにサイドベルトを巻き付けます。
サイドベルトの端を跳箱隅の少し手前部分に釘で留めます。

5~7cmほどの間隔で鋲を打つため、
あらかじめ目印をつけながら、跳箱本体にサイドベルトをぐるりと回します

サイドベルトがずれないよう、釘打ちで固定をします

四隅についてはこのように「重ねた帆布の上」になる箇所に鋲を打つと綺麗に仕上がります。

四隅すべて、同じように重ねた帆布の上に鋲を打ちます。

等間隔に鋲を打っていきます。

サイドテープの終端部の止め方は下記の通りです。

サイドベルトが跳箱を1周したら、隅の部分を鋲で固定。
その後5~7㎝ほどの長さを残してカットし、折り返して釘で固定、鋲で留めます。

終端部は下記のようになれば完成です。

仕上がりを確認する

すべての作業が終わったら、最後に仕上がりを確認しましょう。
帆布がしっかりと張られているか、釘や鋲が緩くないか等を念入りにチェックしていきます。

今回使った材料について

今回の張り替え作業で使用した主な材料は、帆布、フェルト、釘、鋲、サイドベルトの5種類です。

これらの材料を個別に購入する場合、最低購入数が決まっていたり、送料がかかったりするため、どうしても余分な費用が発生し、高コストになりがちです。

そこで当社では、跳箱のサイズに合わせて必要な材料をセットにした補修用材料セットをご用意しています。お手持ちの跳箱の「長辺」の長さに合わせて商品を選べるようになっていますので、ぜひご検討ください。

東洋体機 TY-TB-REPAIR-SET-60 跳箱上布張替用セットS(跳箱修理リペアセット)/頭部30×60cm以内用

品番 :TY-TB-REPAIR-SET-60
商品名:跳箱上布張替用セットS(跳箱修理リペアセット)/頭部30×60cm以内用
税別定価:3100


税別定価:3100円 販売価格:販売店舗により異なります

東洋体機 TY-TB-REPAIR-SET-85 跳箱上布張替用セットM(跳箱修理リペアセット)/頭部40×85cm以内用

品番 :TY-TB-REPAIR-SET-85
商品名:跳箱上布張替用セットM(跳箱修理リペアセット)/頭部40×85cm以内用
税別定価:3800


税別定価:3800円 販売価格:販売店舗により異なります

東洋体機 TY-TB-REPAIR-SET-100 跳箱上布張替用セットL(跳箱修理リペアセット)/頭部40×100cm以内用

品番 :TY-TB-REPAIR-SET-100
商品名:跳箱上布張替用セットL(跳箱修理リペアセット)/頭部40×100cm以内用
税別定価:4900


税別定価:4900円 販売価格:販売店舗により異なります

東洋体機 TY-TB-REPAIR-SET-120 跳箱上布張替用セットXL(跳箱修理リペアセット)/頭部45×120cm以内用

品番 :TY-TB-REPAIR-SET-120
商品名:跳箱上布張替用セットXL(跳箱修理リペアセット)/頭部45×120cm以内用
税別定価:6900


税別定価:6900円 販売価格:販売店舗により異なります

他にも、下記のような張替え用のセットが販売されています。
クッション材が含まれていないものは多少安くなる傾向がありますのでお手持ちの跳び箱の状態で最適なものを選んでみてください。

※紹介している商品価格は当ページに記載時のものです。最新の状況は各販売サイトでご確認ください。
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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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