学校・施設必須の「熱中症対策」と使われる器具・用品

施設や学校での熱中症対策の概要と、対策に使える器具・用具を紹介します。

クーラーが使える環境であれば熱中症に関する問題はほとんど解消しますが、クーラーが使えない/設置されていない施設ではこのようなことが行われています。

熱中症は屋外のイメージが強いかもしれませんが、屋内でも風通しの悪さや高くなりがちな湿度によって発生します。クーラーが使えない状況であれば、一部のエリアをピンポイントで対策することになります。

スポットクーラーは特定の場所に向けて冷風を出す器具で、エアコンに比べて効果範囲は狭くなります。

排熱で周囲の気温が上昇することも多いため、排熱させる場所や方向にも気を配る必要があります。

巨大な扇風機で、直径1m前後の製品です。エアコンや冷風機よりも低価格で、ランニングコストも抑えられます。家庭用扇風機よりも大きい分、強い風を遠くまで届けることができます。

バドミントンやバレーボール中など、風による競技への影響が大きいスポーツ以外では積極的に使う価値があります。風向きを観客席や休憩場所にのみ向けるという手もあります。

屋内同様、スポットクーラーや扇風機を使ってピンポイントで熱中症対策ができます。それに加え屋外であれば水を活用した気化熱による対策用品の導入もできるようになります。

水を霧状にして噴霧するのがミストファンです。衣服にはほとんど濡れることが無いため使い勝手が良いのが特徴。

パイプを通して上から吹き付けるタイプは公共施設でよく使われ、設置工事が必要なものの比較的広い範囲を涼しくできます。

扇風機の風で霧を吹きつけるミストファンなら効果範囲は狭くなるものの、持ち運びできるメリットがあります。

ゴルフ場や園庭で使われるものとほぼ同じです。手ごろな価格かつ持ち運びができる製品も多々あり、水道圧のみで回転部分が動かせて電力不要なタイプは部活の対外試合などに持って行くことができます。

温度を下げる対策と合わせて、現状を知るために専用の温度計を併用します。

常に温度をはかりつつ危険度の判定をし、閾値を超えると通知してくれる計測器兼警報器です。音や光、メールでの通知など機種によって異なります。

使用方法もさまざまで、置いて使う・手で持つ・カメラ用三脚で固定するetcがあります。

価格が5000～50000円ほどとラインナップが豊富なため、使用状況に合わせてものを使いましょう。たとえば「黒球式」と書かれたものは日射は輻射熱の測定が可能で、炎天下でも正確なWGBT値が測定できます。

※WBGT・・・暑さ指数

熱中症の応急処置用品は、AEDなどの機器とは違って比較的リーズナブルです。

予防や対策ではなく、事後対応をするための用具ですが、AEDと同じようにスポーツ施設においてあると、スタッフも安心です。

個人レベルでの対策としては水分摂取・動脈付近を冷やす・持ち運び用扇風機などがありますが、施設で行うことはそれよりも影響範囲が広い対策がメインになります。

これらの器具・用具は、毎年真夏に近づくほど品薄になる傾向があります。春～梅雨の時期ころまでには検討し導入を進めるようにすると安心です。