公開日:2021/05/23 -> 更新日:2023/01/07

アレルギー児童がいる場合のグラウンド白線の引き方

運動会や体育の授業で不可欠なグラウンドの白線ですが、近年、ラインパウダーによるアレルギーに悩まされる児童生徒さんがいらっしゃるという話を耳にすることが増えました。そのような状況に直面された時、どのように対応すれば良いのか、頭を悩ませていらっしゃる先生方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アレルギーを持つ児童生徒さんがいらっしゃる場合でも、安心して体育活動が行えるような白線の引き方について、具体的な製品の紹介も交えながらお伝えしたいと思います。ぜひ、今後のご参考にしてみてください。

ラインパウダーの安全性について

グラウンドに白線を描く際に使われるラインパウダーは、ひと昔前まで消石灰(水酸化カルシウム)が主流でした。消石灰は、目に入ると失明の恐れもある非常に危険なもので、安全性は低いと言わざるを得ませんでした。

しかし、現在ではその危険性から消石灰の利用は禁止され、より安全性の高い炭酸カルシウムが主流となっています。炭酸カルシウムは人体への影響が少ないとされていますが、それでもアレルギー反応を引き起こしてしまうケースがゼロではありません。もし、クラスの中にラインパウダーに反応してしまう児童生徒さんがいらっしゃる場合は、これからご紹介するような代用品の検討が必要だと考えられます。

それでもアレルギーを起こす人はゼロにはなりませんので、もしそのようなケースが発生した場合は代用品を検討することで対処します。

具体的には、下記のような方法があります。

アレルギーを起こしづらい製品・方法

ヒッキマン(おすすめ)

一般的に使われている炭酸カルシウム性のラインパウダーは、消石灰に比べて安全性は格段に向上していますが、100%安全とは言い切れません。同じ炭酸カルシウム性のパウダーでも、原材料が異なる場合があり、その原材料の成分がアレルギーの原因となる可能性も考えられます。

そこでぜひ検討していただきたいのが、ヒッキマンです。ヒッキマンは100%鉱物から作られており、その成分の大半は食品としても使用できるような材料で構成されています。残りの部分は、粉の落下速度を調整するための食品以外の用途の石灰石です。そのため、アレルギー反応が出る恐れは非常に低いと考えられます。

ヒッキマンの安全性はとても高く、2023年1月時点でこの製品を使用していてアレルギーが出たという報告は受けていません。メーカーでも同様に発売後20~30年たつ現在でもいまだにアレルギー報告は受けていないそうです。

アレルギーは人によって対象物や程度が異なるため、100%安全であると断定はできませんが、現時点での最適解の一つです。

ヒッキー hikki20 [100%鉱物の安全性]スポーツラインヒッキマン(20kg入) ホワイト

メーカー:ヒッキー
品番 :hikki20
商品名:[100%鉱物の安全性]スポーツラインヒッキマン(20kg入)


販売価格:販売店舗により異なります

卵殻製品

アレルギー対応の選択肢として、卵の殻を原材料にしたラインパウダーも有効です。卵アレルギーをお持ちの方以外であれば、安心して使用できるラインが引けます。

市場にはいくつか卵殻製品がありますので、ご紹介しましょう。

グリーテクノ21社のガイアフィールドライン

比較的安価な卵殻性のラインパウダーです。

グリーンテクノ21 GFL20 ガイアフィールドライン20kg入り(土グラウンド用) ホワイト

メーカー:グリーンテクノ21
品番 :GFL20
商品名:ガイアフィールドライン20kg入り(土グラウンド用)


販売価格:販売店舗により異なります

ルイ高社のエッグパウダー

こちらも卵の殻で作られたラインパウダーです。ガイアフィールドラインとの大きな違いは、卵膜が除去済みである点です。卵膜特有のにおいが抑えられているというメリットがありますが、その分価格は少々高めになっています。

ルイ高 RT-M320929 エッグパウダー 白

メーカー:ルイ高
品番 :RT-M320929
商品名:エッグパウダー 白
税別定価:4200円(2022年度時)


販売価格:販売店舗により異なります

ラインパウダーを使用しない方法

「アレルギーの原因になるなら、いっそのことラインパウダーを使わない」という発想も、もちろんあります。このような状況に対応できる方法もいくつかありますので、ご紹介しましょう。

1. 水でラインを引く

ラインパウダーを使わない最もシンプルな方法の一つが、水でラインを引くことです。モルテン社が製造しているウォーターペンLMWは、水を入れてラインを引くことができる製品です。ヤカンやじょうろで引くよりも、断然きれいで正確なラインを引くことができます。

競技には使いづらくラインが消えるのも早いですが、ラインパウダーを使うよりランニングコストが安く、粉で汚れることもなく、もちろんアレルギーも出ません。幼稚園や保育園で使われることが多い製品です。

モルテン LMW ウォーターペン

LMW

メーカー:モルテン
品番 :LMW
商品名:ウォーターペン
税別定価:21,000円(2020年度時)


販売価格:販売店舗により異なります

2. ラインをテープで引く

条件がかなり限定されますが、人工芝のグラウンドで、かつ予算が確保できるようでしたら、人工芝用ラインテープも有効な選択肢となります。特に、毛足の長いロングパイル人工芝でのみ使用可能なラインテープです。これは、一度設置すればラインを引き直す手間が省けるというメリットもあります。

ルイ高 RT-F311321 人工芝用ラインテープ50

メーカー:ルイ高
品番 :RT-F311321
商品名:人工芝用ラインテープ50
税別定価:15000円(2022年度時)


販売価格:販売店舗により異なります

ラインパウダーのアレルギーは、児童生徒さんや保護者の皆様にとって非常に心配な問題です。しかし、ご紹介したような代替品や方法を検討することで、みんなが安心して体育活動に参加できる環境を整えることが可能になります。

※紹介している商品価格は当ページに記載時のものです。最新の状況は各販売サイトでご確認ください。
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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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