事故予防のためバレー/テニス支柱にはズレ上がり防止加工を
学校の体育館や運動場で、バレーボールやテニスは日常的に行われるスポーツですね。私も学生時代に熱中した記憶があります。準備や片付けは、生徒さんと先生方が協力して行うことも多いのではないでしょうか。
そんな中、見落とされがちなのが、バレーボールやテニス支柱の「ネット締め器(ネット巻き)」のズレ上がりによる事故です。実は、適切な対策がされていないと、思わぬ事故に繋がる可能性があるのをご存じでしょうか?今回は、このズレ上がり事故とその予防策について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ネット締め器がズレ上がる状態とは

ネット締め器の急激な跳ね上がり
2本の支柱の間にネットを張る際、支柱に取り付けられているネット締め器が緩んでいると、ネットのワイヤーに引っ張られてネット締め器が上方向に跳ね上がることがあります。この急な動きによって、作業中の指を挟んだり、顔にぶつかったりといった事故に繋がる可能性があるのです。
平成24年の事故から学ぶこと
実際に、平成24年には福岡県の高等学校で痛ましい事故が発生しています。部活動の準備でネットを張る作業中に、ネット巻き上げ機が支柱を滑り、勢いよく跳ね上がって生徒さんの顔に激突するという事故でした。
このような事故は、誰もが避けたいものです。この事故を受けて、ネット締め器のズレ上がりを防止する仕組みの導入が強く推奨されるようになりました。製造メーカーや販売店は、この問題に対して継続的に対策を講じ、周知活動を行っています。しかし、現在ご利用のバレーボールやテニス支柱が古いタイプの場合、まだ対策が施されていない可能性があるのです。
ネット締め器のズレ上がりを防ぐには
講じられている主な対策
では、具体的にどのような対策が講じられているのでしょうか。主な対策としては、以下の点が挙げられます。
- 新たに製造する支柱には、ズレ上がり防止機構をあらかじめ付けること。
- 支柱とネット締め器を購入する際には、同一メーカーで揃えるよう購入者や販売店に働きかけること。
- ネット締め器を単体で購入される際には、書面で確認を取ること。
- 既存の支柱には、ズレ上がり防止機構を追加で取り付けること。

支柱とネット締め器の仕様は各メーカーで異なる場合があるため、安全性を確保するためにも同一メーカーで揃えるのが基本的な考え方です。
また、ネット締め器だけを単体で購入する場合には、購入者の方へ支柱に関する注意喚起を書面で行うことが重要だと考えます。さらに、既存の支柱に対しては、メーカーによっては無償で加工を行い、ズレ上がり防止機構を追加できるサービスを提供しているところもあります。
各メーカーの取り組み
例えば、製造メーカーの一つである三和体育製販株式会社では、カタログにこのような案内を掲載し、安全対策の重要性を訴え続けています。他の多くのメーカーも、同様に自社の製品カタログやウェブサイトで注意喚起を行っているはずです。

今一度、確認・お問い合わせを
バレーボールやテニス支柱のネット締め器によるズレ上がり事故は、実際に発生した過去があり、今後も起こる可能性を完全に否定することはできません。しかし、事前の対策をきちんと取ることで、ほぼ確実に防ぐことができる問題だと考えます。
もし、皆さんの学校で古いタイプのバレーボールやテニス支柱を使用されている場合は、一度、ネット締め器にズレ上がり防止の機構が備わっているかどうかを確認してみてください。もし、そうした機構が見当たらないようでしたら、購入された販売店、あるいは支柱の製造メーカーまでお問い合わせいただくことを強くお勧めします。
ページ作成:東洋体機株式会社
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