公開日:2021/05/26 -> 更新日:2022/11/30

グラウンド整備の必需品 – コートブラシ・レーキ・車両牽引用レーキの種類と特徴比較

グラウンド整備をきちんと行うことで、いくつかのメリットがあります。例えば、危険物が目立ちやすくなりグラウンドが安全になる、整備を通じて礼儀や感謝の気持ちが育まれる、そして美観が向上し施設のイメージが向上するなどが挙げられます。

ここでは、グラウンド整備に必須の用具である、コートブラシ、レーキ、そして牽引用レーキ/ブラシについて、それぞれの特徴と選び方をご紹介していきます。

1.コートブラシ

コートブラシとは

コートブラシは、皆さんもよくご存じの通り、歯ブラシのような毛がついた幅の広いブラシのことです。グラウンドの表面をブラッシングするようにして整えることができます。

幅によるコートブラシの使い勝手の違い

コートブラシを選ぶ際、まず気になるのが「幅」ではないでしょうか。一般的に、幅が広いものは効率よく広い範囲を整備できるため、野球場やサッカー場のような広いグラウンドの整備に向いています。例えば、150cm幅のブラシであれば、一度に広範囲をカバーでき、作業時間の短縮につながります。

一方、幅が狭いものは小回りが利くため、テニスコートやバレーボールコートなどの比較的狭い場所や、グラウンドの隅々、障害物の周りなどを丁寧に整備するのに適しています。例えば、90cm幅のブラシは、狭い通路やベンチの周りなど、細かな部分の整備に活躍します。

グラウンドの広さや整備したい場所に合わせて、最適な幅を選ぶことが重要です。

材質によるコートブラシの違い

コートブラシの毛の材質も、使い勝手や耐久性に大きく影響します。

ブラシの毛部分によく使われる素材はシダ(茶色)とPVCもしくはナイロン(緑色)が一般的です。
PVCはポリ塩化ビニルのことで、PVCもナイロンもどちらも合成繊維です。

シダは安いのがメリットですが、毛先が落ちやすい点がデメリットとなっており、
PVC/ナイロンは丈夫で長持ちしますが、シダに比べるとやや高価です。

予算が許せばPVC/ナイロン素材のコートブラシがオススメです。

  • PVC(ポリ塩化ビニル):最も一般的な素材で、コシがあり、ある程度の硬さがあります。砂や土をしっかり掻き出すことができ、比較的安価な製品が多いのが特徴です。普段使いに最適と言えるでしょう。
  • ナイロン:PVCよりも柔らかく、グラウンドの表面を優しくならしたい場合や、人工芝の整備に適しています。砂埃を立てにくいという利点もあります。
  • シダ(天然素材):天然素材ならではのしなやかさがあり、特に土のグラウンドで、表面をきめ細かく整えたい場合に効果を発揮します。独特の風合いも魅力ですが、耐久性は化学繊維に劣ることが多いです。

グラウンドの種類や求める整備の仕上がりに合わせて、毛の材質を選んでみましょう。

耐久性について

コートブラシの耐久性は、やはり柄の素材やブラシの取り付け部分の強度に左右されます。学校や施設で使用するものですから、長く使えるものを選ぶことが大切です。

柄は、木製よりもアルミ製やスチール製の方が耐久性があります。特に、ブラシ部分と柄の接合部がしっかり補強されている製品は、グラウンド整備の際に力が加わっても破損しにくく、長持ちする傾向にあります。日々の使用に耐えうる頑丈な構造かどうかも、選ぶ際のポイントとして見ておくと良いでしょう。

学校や施設で使用するのにおすすめのコートブラシはこちらです

2.レーキ

コートブラシと似た形状で毛がついていないものをレーキといいます(地域によっては「トンボ」と呼ばれることもありますね)。

形状がシンプルなためコートブラシよりも安価なものが多いですが、整備後にコートブラシほどは綺麗にはなりません。

素材によるレーキの違い

レーキは本体の素材によって木製、アルミ製、プラスチックなどがあります。

木製レーキ

古くから使われている木製のレーキは、土のグラウンドに馴染みやすく、比較的安価で手に入りやすいのが特徴です。適度な重みがあり、土を均す作業に適しています。しかし、水に濡れると劣化しやすく、使用頻度が高いと折れたり反ったりしやすいという弱点もあります。

アルミ製レーキ

軽量で錆びにくく、持ち運びや作業が楽なのがアルミ製レーキの大きな利点です。特に、女性の先生方や生徒さんが使う場合、その軽さが大きなメリットになるでしょう。耐久性も木製より高く、長く使える製品が多いです。ただし、木製に比べると価格は高めになります。

スチール製レーキ

非常に頑丈で、硬い土のグラウンドや、石が混じった場所の整備に適しています。重さがあるため、しっかりと土を均すことができますが、その分持ち運びや作業に力が必要になります。錆びやすいというデメリットもありますので、使用後の手入れが重要です。

再生プラスチック製レーキ

環境に配慮した素材で作られたレーキで、軽量で耐久性も高く、錆びる心配がありません。比較的安価な製品も多く、コストパフォーマンスに優れています。最近では、耐久性も向上しており、選択肢の一つとして注目されています。

グラウンドの状態や、実際に整備を行う方の体力なども考慮して、最適な素材を選んでみてください。

耐久性について

レーキの耐久性は、やはり本体の素材によって大きく異なります。一般的に、木製<スチール=再生プラスチック となっており、この中では木製が最も弱いと言えるでしょう。

また、柄の接合部が補強されているもののほうが本体が長持ちします。特にレーキは、グラウンドを上から叩いて押し固めるような使い方もされることがあります。これは本体に大きな負担をかけるため、接合部がしっかり補強されている製品を選ぶと、より長く安全に使い続けられます。

レーキ特有の使い方として「グラウンドを上から叩いて押し固める」というものがあり、より本体を痛めやすいので補強はあったほうがよいと思われます。

レーキ特有の使い方として「グラウンドを上から叩いて押し固める」というものがあり、より本体を痛めやすいので補強はあったほうがよいと思われます。

学校や施設で使用するのにおすすめのレーキはこちらです

3.牽引用レーキ/ブラシ

車で牽引(けんいん)するタイプのレーキやブラシは、広い面積をすばやく整備できるという大きなメリットがあります。自重があるため、製品によっては掘り起こしから均しまでを一度に行うことができ、もし予算と収納場所が許せば、非常におすすめできる選択肢です。

牽引用タイプは、競技用グラウンド以外にも公園や公民館などの敷地内整備に使われることがあり、特に管理者が高齢だったり少人数だったりする場合は、車で牽引できる利点が高く評価され、重宝されています。

また、グラウンドはこまめに整備することで雑草を防ぐ効果もありますので、使用頻度が高くない施設だとしても、整備のハードルを下げてくれる牽引タイプには大きな利点があると言えるでしょう。

牽引タイプには、主に2つの種類があります。

サイズを拡張できるマット型のもの

マット型の牽引レーキ/ブラシは、金属製の網状や板状のパーツが連結されており、必要なグラウンドの幅に合わせて枚数を増減させることができます。使わないときはコンパクトに収納できるという利点もあります。

主にグラウンド表面の砂や土を均すのに使われ、比較的平らなグラウンドの日常的な整備に適しています。設置や撤去も比較的容易で、手軽に使えるタイプとして人気があります。

目的に応じて使い分けできる組み合わせ型のもの

こちらは、レーキとブラシが合体したような便利な製品です。掘り起こして均すという異なる作業が同時に行えるため、作業効率が格段に上がります。作業内容が変わってもその都度パーツを取り替えなくてよいのでとても楽で、時間の短縮に大きく貢献します。

また、これらのパーツは部品として単体で販売されていることが多いので、破損した部分だけを交換してメンテナンスしながら長く使える製品として、長期的なコスト削減にもつながるでしょう。広範囲のグラウンドを、より徹底的に整備したい場合に最適なタイプです。

学校や施設で使用するのにおすすめの牽引型レーキ/ブラシはこちらです

グラウンド整備についてまとめ

グラウンドをきれいに整備することには、多くのメリットがあります。

  • 石や瓶の破片などが目立ちやすくなり、危険性を減らせます。
  • 競技環境に対する感謝の気持ちを育み、練習やゲームの質が向上します。
  • 利用者、観客、関係者誰が見ても美しい施設になり、家族や友人が応援などに来たくなるような、施設のイメージアップにつながります。

整備には専用の用具が必要で、大別するとコートブラシ、レーキ、そして牽引用のレーキ/ブラシに分けられます。それぞれに役割、整備時間、費用などに違いがありますので、グラウンド整備の第一歩として、皆さんの施設に合った整備用具を揃えることから始めてみましょう。

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ページ作成:東洋体機株式会社

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