公開日:2021/05/19 -> 更新日:2023/06/28

学校・施設向け体操マットの選びのための基礎知識

体操マットとは?

運動用のマットには様々な種類がありますが、その中でも特に学校や体育施設でよく使われるのが【体操マット】です

三和体育製販2018カタログより

体操マットの厚みはおよそ5~6cm程度。この厚みが、跳んだり、回ったり、受け身を取ったりする際の衝撃をしっかりと吸収し、怪我のリスクを軽減してくれるのです。体育の授業や部活動で、生徒さんたちが安全に体を動かすためには、欠かせないアイテムと言えるでしょう。

体操マットの大きさについて

体操マットのサイズは、幅90㎝~150㎝(30㎝刻み)、長さ180㎝~600㎝(60㎝刻み)、そして厚み5~6㎝のものが一般的です。
もっともよく使われるのが幅90㎝×長さ180㎝のタタミ一畳分に近いサイズのものです。

最も多く見かけるのは、幅90㎝×長さ180㎝のサイズで、これはだいたい畳一畳分くらいの大きさになります。学校の体育倉庫などにも、このサイズのものが積み重ねられていることが多いのではないでしょうか。

厚みについては、5cmよりも6cmの方がクッション性が高くなるため、より衝撃を吸収してくれますが、その分価格も少し上がります。用途や予算に合わせて選ぶと良いでしょう。

体操マットの外装(生地)について

三和体育製販2018カタログより

マットの表面に使われている生地は、メーカーによって様々な工夫が凝らされています。耐久性はもちろんのこと、肌触りやグリップ力も重要な要素です。

一般的には、以下のような特徴を持つ素材が使われています。

・帆布: 強度が高く、摩擦に強いのが特徴です。長期間の使用に耐えるため、ハードな練習にも適しています。
・エステル防水帆布: 防水性に優れており、プールサイドや雨天時の使用にも適しています。

帆布は9号帆布と6号帆布が主流で、6号のほうが目が粗く厚手でゴツゴツした印象をしています。
9号帆布は小~中サイズのマットに、6号帆布は中~大サイズのマットに使われることが多いようです。

色が付いたカラーマットはエステル帆布やターポリンといった素材で出来ています。

水を吸収しにくく、つるりとした肌触り。汗を吸いにくいので清潔ですが滑りやすくもあります。

使用する場所や頻度、そしてどのような運動を行うのかを考慮して、最適な生地を選ぶことが大切です。

中津テント2018カタログより

体操マットの中身について

マットの中身の素材も、衝撃吸収性や耐久性に大きく影響します。様々なメーカーが独自の素材を開発していますが、たとえば運動器具メーカーのひとつ三和体育製販社のマットでは、下記のような素材が使われています。

スポンジマットの断面

スポンジ
スポンジマットは柔らかくクッション性に優れ、なおかつ適度な弾力性を持つマットです。スポンジマットは主に回転運動に適しています

ミラスポンジマットの断面

ミラスポンジコンビマット
合成スポンジを硬質のミラスポンジでサンドしたマットです。軽量で扱いやすく、発泡倍率が高いのでへたりにくく長期間沈み込みが少ないです。ミラスポンジマットは着地運動に適しています。

コンビマットの断面

コンビマット
合成スポンジを柔らかく耐久性のあるフェルトでサンドしたマットです。コンビマットは回転運動性能と着地運動性の両方の特徴を持った万能型です。

体操マットの滑り止めについて

マット裏地の滑り止め

体操マットを使用する上で、安全性は最も重要な要素の一つです。特に、運動中にマットがずれてしまうと、大きな事故につながる可能性があります。そのため、裏面に滑り止め加工が施されているマットを選ぶことを強くお勧めします。

取っ手について

マットの取っ手

体操マットは、保管や移動の際に意外と手間がかかるものです。特に大型のマットになると、持ち運びは一苦労。そんな時に役立つのが、マットに付いている取っ手です。

取っ手が付いていることで、複数人でマットを運ぶ際に非常に楽になります。また、体育倉庫からの出し入れや、マットの向きを変える際などにも便利です。マットを選ぶ際には、取っ手の有無や、その強度、握りやすさなども確認しておくと良いでしょう。
足を引っかけて躓かないようなものを選びましょう。取っ手の形状によっては使用時にマットの下に挟んでおくなどの対処もできます。

体操マットの選び方

ここまで、体操マットの基本的な知識について解説してきました。では、実際にどのような点に注意してマットを選べば良いのでしょうか?

結論から申し上げますと、サイズと外装(生地)をまず検討し、安全のために滑り止めは必ず付けることをお勧めします。中身の素材や取っ手の有無は、もしこだわりがあれば考慮する、という選び方で良いでしょう。

最も一般的な90㎝×180㎝サイズのマットであれば、価格帯はおよそ20,000円~30,000円程度が目安となります。

少し大きめの120㎝×180㎝サイズになると、40,000円~60,000円程度になることが多いようです。

もちろん、これらの価格は生地の種類、中身の素材、滑り止めの有無、そして取っ手の有無などによって変動します。予算と必要な機能を考慮しながら、最適なマットを選んでください。

体操マットのメンテナンス

せっかく購入した体操マットを長く安全に使うためには、日頃のメンテナンスが非常に重要です。

補修について

体操マットが万が一破れてしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。小さな破れであれば、専用の針と糸で縫い合わせることで補修が可能です。また、応急処置として、強力な布用テープで留めるのも一般的な方法の一つです。

ただし、破れが広範囲にわたる場合や、内部の素材が大きく損傷している場合は、修理が難しいこともあります。そのような場合は、買い替えを検討する必要があるかもしれません。

メンテナンスのチェック箇所について

公益財団法人日本スポーツ施設協会が発行している体育器具のメンテナンス参考書「事故防止のためのスポーツ器具の正しい使い方と安全運転の手引き」によると、体操マットの定期点検は3ヶ月ごと、内部構造材については6ヶ月ごとに行うことが推奨されており、標準耐用年数は2年とされています。

この参考書には、メンテナンスの具体的なチェック箇所についても詳しく解説されていますので、ぜひ一度目を通してみてください。安全な体育環境を維持するために、定期的なメンテナンスは欠かせません。

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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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