公開日:2021/05/19 -> 更新日:2023/06/25

ライン引き(ラインカー)選び6つのポイント

記事では、中学校、高等学校、特別支援学校などで日々生徒たちのために尽力されている教職員の皆様に向けて、ライン引き(ラインカー)を選ぶ際に考慮すべき大切なポイントを、わかりやすく解説していきます。

ライン引き(ラインカー)の選び方のポイント6つ

1)使いたいラインパウダーに対応しているか

まず確認すべきは、使用したいラインパウダーに対応しているかどうかです。ラインパウダーには、主に以下の種類があります。

炭酸カルシウム

現在、多くの学校現場で安全性の高さから選ばれている一般的なパウダーです。当社の経験上、9割以上はこちらの炭酸カルシウムが使用されています。

消石灰

かつては広く使われていましたが、目に入ると失明の危険性があるため、2007年頃から使用される場面はほとんどなくなりました。現在では、特別な理由がない限り避けるべきでしょう。

卵の殻

環境に優しく安全性が高いとして、近年注目を集めています。ただし、卵アレルギーを持つ方がいる場合は注意が必要です。また、使用できるラインカーが限られる場合もあります。

その他

天然芝用の液体タイプなど、特殊な用途のパウダーも存在します。

ラインカーには、特定のパウダー専用のものや、複数のパウダーに対応できる兼用タイプがあります。現在使用している、あるいは今後使用したいラインパウダーの種類を確認し、それに合ったラインカーを選ぶことが最も重要です。

2)必要な幅のラインが引けるか

次に、引きたいラインの幅を確認しましょう。スポーツの種類によって、適切なライン幅は異なります。一般的なライン幅は以下の通りです。

  • 5cm: 多くの競技(陸上、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、テニスなど)や授業で広く使用されます。
  • 7.6cm: 野球、ソフトボール、ホッケーで使用されます。
  • 12cm: サッカーで使用されます(正確には最大12.7cmのため、10~11cm幅のラインカーでも概ね対応可能です)。

例えば、サッカー部のためにラインカーを選ぶのに、5cm幅のラインしか引けない機種を選んでしまうと、本来の目的を達成できません。同様に、野球部のラインを引くのに12cm幅のラインカーしか持っていない場合も、競技のルールに合致しない可能性があります。

使用する競技や用途に合わせて、必要なライン幅に対応したラインカーを選ぶことは、ラインパウダーへの対応と並んで、最も重要な条件と言えるでしょう。

3)ライン幅は切り替えられるか

複数のスポーツや用途でラインカーを使用する場合、ライン幅を切り替えられる機種は非常に便利です。一台で異なる幅のラインを引けるため、複数のラインカーを用意する必要がなくなり、予算や保管スペースの節約につながります。

例えば、体育の授業で様々なスポーツを行う場合や、ソフトボール部と他の部活動で同じグラウンドを使用する場合など、5cm幅と7.6cm幅の両方に対応できるラインカーがあれば、一台で済むため効率的です。

4)2輪タイプと4輪タイプどちらが使用目的に合っているか

ラインカーには、タイヤが2つの2輪タイプと、4つの4輪タイプがあります。それぞれに特徴がありますので、使用目的に合わせて選びましょう。

  • 2輪タイプ: 小回りが利きやすく、カーブを描くのが得意です。本体がコンパクトで軽量なため、価格も比較的安価な傾向があります。
  • 4輪タイプ: ラインパウダーを多く積載でき、安定しているため直線を引きやすいのが特徴です。20kg入りのラインパウダーの袋をそのまま入れられる機種もあり、粉の補充や保管時にグラウンドや倉庫を汚しにくいというメリットもあります。

使用するグラウンドの形状や、主に直線を引きたいか、曲線を引きたいかなどを考慮して、最適なタイプを選びましょう。

2輪タイプラインカー(三和体育S-1383)
4輪タイプラインカー(トーエイライトG2065)

5)粉が出る部分にフタは必要か

ラインカーの粉が出る部分にフタが付いているかどうかは、日々の使いやすさに大きく影響します。

フタがない場合、ラインカーを持ち上げて運搬する際に、振動で粉が漏れてしまうことがあります。特に、グラウンドから倉庫まで距離がある場合や、階段の上り下りがある場合など、持ち上げたままの移動は大きな負担になります。

フタが付いているラインカーであれば、横に倒したり、多少傾けたりしても粉が漏れにくいため、女性や子どもでも比較的楽に運ぶことができます。頻繁にラインカーを移動させる必要がある場合は、フタ付きのものがおすすめです。

フタ部分をオープンした状態がこちら。
この小さな穴からラインパウダーが出てきます。

フタ部分をクローズした状態。
この状態でライカーを引いてもラインパウダーは出ません。

フタの形状はさまざま。これはルイ高社製のラインカー

6)ラインガイドが付いているか

ラインガイドは、ラインカーから粉が出る位置を視覚的に示してくれるパーツです。これがあることで、以前に引いたラインや目印に沿って、より正確に、そしてまっすぐなラインを引きやすくなります。

特に、初めてラインを引く場合や、少しでもラインが曲がってしまうと気になるような場面では、ラインガイドがあると非常に便利です。美しいグラウンドを保つためには、ラインガイドの有無も考慮に入れると良いでしょう。

ラインカーが持つその他の特徴

上記の6つのポイント以外にも、ラインカーには様々な特徴を持つものがあります。例えば、芝生の上でもスムーズに移動できるようタイヤが大きくなっているもの、ライン幅の切り替えがレバー操作で簡単にできるもの、デザイン性に優れたもの、耐久性の高い丈夫なものなど、各社工夫を凝らした製品を開発しています。

これらの特徴も、予算や使用頻度、重視する点などを考慮しながら、選択肢の一つとして考えると良いでしょう。

ラインカー選びのポイントまとめ

この記事では、ライン引き(ラインカー)を選ぶ際の6つの重要なポイントについて解説しました。

すべての希望を満たすラインカーを見つけるのは難しいかもしれませんが、特に**(1)使いたいラインパウダーに対応しているかと(2)必要な幅のラインが引けるか**の2点は、必ず確認するようにしてください。

その他の要素は、予算やグラウンドの状況、使用する方の使いやすさなどを考慮して、最適なものを選ぶと良いでしょう。

  • 使いたいラインパウダーに対応しているか
  • 必要な幅のラインが引けるか
  • ラインの幅は切り替えられるか
  • 2輪と4輪どちらが使用目的に合っているか
  • 粉が出る部分にふたは必要か
  • ラインガイドが付いているか

これらのポイントを意識してラインカーを選ぶことで、きっと皆様のグラウンド整備がより快適で効率的なものになるはずです。

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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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