公開日:2021/05/21 -> 更新日:2023/02/26

鉄棒の安全対策および緩衝材(マット)の種類と特徴

今回は、学校や公園でお子さんたちが親しむ鉄棒の安全対策について、そしてもしもの落下に備える緩衝材、いわゆる鉄棒用マットについてお話ししたいと思います。

鉄棒には安全対策が必須

「鉄棒」は、子どもたちの体力向上に欠かせない遊具の一つですよね。懸垂や逆上がり、高度な技に挑戦する中で、子どもたちは筋力やバランス感覚、そして何よりもチャレンジ精神を養います。しかしその一方で、鉄棒は残念ながら怪我の多い遊具でもあります。

その理由は、大きく分けて二つあると考えています。一つは、体力づくりの一環であるがゆえに、子どもたちが少し無理な目標に果敢に挑んでしまうこと。もう一つは、自分の体重を腕だけで支えるという、非常に不安定な状態で行う運動であることです。

もし、落下しても安全が確保されていれば大きな問題にはならないかもしれません。しかし、現状では怪我のリスクが高いと言わざるを得ません。特に心配なのは、鉄棒運動が回転を伴うため、落下時に頭部を打ちやすいこと。そして、鉄棒がグラウンドの隅に設置されていることが多く、側溝やその蓋、マンホール、コンクリートブロックといった硬いものに囲まれているケースが少なくないことです。

鉄棒運動が子どもたちの成長に不可欠な役割を果たすことは間違いありません。だからこそ、「危ないから撤去する」という安易な解決策ではなく、安全性をしっかりと確保した上で、鉄棒運動の機会を提供していくことが重要だと考えます。体が十分に作られないと、将来的に運動能力だけでなく、様々な面で子どもたちが不利益を被る可能性もあるからです。そこで注目したいのが、落下事故を防ぐために用いられる安全対策、特に鉄棒用マットの存在です。

鉄棒用マットとは

鉄棒用マットとは、鉄棒の下に敷くことで、万が一落下してしまった際の衝撃を吸収し、怪我のリスクを軽減するためのものです。

もちろん、予算が十分に確保されている施設では、鉄棒の下が人工芝やゴムチップ舗装になっているなど、ある程度の安全対策が施されている場合もあります。しかし、多くの学校現場では、予算の制約やグラウンドを他の競技にも使用する必要性から、鉄棒の下は土のまま、あるいは簡素な状態であることが多いのではないでしょうか。

そのような状況において、鉄棒用マットは非常に有効な対策となります。落下時の衝撃を和らげるだけでなく、地面がえぐれてしまうのを防ぐ効果も期待できます。地面がえぐれると、そこに雨水が溜まって水たまりができ、服が汚れたり、滑って転倒するなどの二次的な事故につながる可能性もあります。マットは、こういった問題の予防にも役立つのです。

鉄棒用マットの特徴

鉄棒用マットの種類と特徴鉄棒用マットと一口に言っても、様々な種類と特徴があります。

固定するタイプのマットは、移動させにくいもののずれにくいのが特徴です。

厚みによる違いもあります。厚みがあればあるほど足元が不安定になりがちですが、安全性は向上します。

鉄棒用マットの保管・メンテナンス

鉄棒用マットの保管・メンテナンス鉄棒用マットの多くは、基本的に敷きっぱなしで使用しても問題ありません。しかし、もし水を通さない仕様のマットであれば、雨水などが表面に溜まらないように注意が必要です。傾斜をつけて設置したり、水抜き穴があるかなどを確認しておきましょう。
また、防水仕様ではないマット(例えば、体育館用の屋内用マットを鉄棒用として流用しているケース)の場合、内部のスポンジが泥水を吸い込んで重くなったり、汚れがひどくなることがあります。防水マットであっても、カバーが破れてしまうと同様の状態になる可能性があります。

どのような鉄棒用マットを選ぶかは、鉄棒周りの環境や予算によって変わってくると思いますが、少なくとも屋内用マットを屋外で使用することは避けるべきです。メンテナンスの手間が増え、早期の消耗・汚損で買い替えにつながるリスクが高いためです。

多くの製品には、それぞれ長所と短所があります。理想を言えば、足元の安定性をしっかりと保ちながら、高い安全性があり、ずれにくく、必要に応じて移動させることもできる鉄棒用マットがベストでしょう。

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ページ作成:東洋体機株式会社

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