熱中症を防ぐための基礎知識-学校・スポーツ施設編
熱中症は、体温調節機能のバランスが崩れて、ときには死につながることもある症状です。医療機関や国・市から適宜注意情報が出されていますので、ここでは簡単に熱中症について紹介と対策を紹介します。
熱中症とは簡単に言えば「暑さによる体調不良」なのですが、立ちくらみなど比較的軽い症状から始まり、気持ちが悪い、汗が出なくなるなど、どんどん悪化していきます。

熱中症にかかりやすい人
熱中症は、誰にでも起こりうる可能性があります。しかし、特に下記のような方は、熱中症になりやすい傾向がありますので、より注意が必要です。
- 脱水状態にある人
- 高齢者
- 肥満の人
- 過度の衣服を着ている人
- 普段から運動をしていない人
- 暑さに慣れていない人
- 病気の人、体調の悪い人
熱中症になるとどうなるか?
熱中症は、その症状の重さによってⅠ度からⅢ度までに分類されます。初期の軽い症状を見逃さず、適切な対応をすることが大切です。
Ⅰ度:軽度
症状が一番軽い状態です。
- 手足のしびれ
- めまい、立ちくらみ
- こむら返り
- ボーっとする
もし、このような症状が見られたら、涼しい場所に移動して水分補給をするなど、早めの対応を心がけましょう。
Ⅱ度:中程度
症状が進行した状態です。
- 頭痛
- 吐き気・吐く
- だるい
- 意識がおかしい
この段階では、自力での対応が難しくなることもあります。周囲の人が気づいて、適切な応急処置を行う必要があります。
Ⅲ度:重度
最も重篤な状態です。命に関わる危険な状態ですので、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
- 意識がない
- けいれん
- 返事がおかしい
- まっすぐに歩けない
- 体が熱い
10代の熱中症はスポーツ中に起きやすい

10代の生徒たちの熱中症は、部活動や体育の授業など、スポーツ活動中に発生しやすいという特徴があります。夢中で体を動かしているうちに、本人も気づかないうちに脱水状態が進んでしまうことがあります。
学校等の施設においては、生徒や利用者の様子を常に注意深く観察し、少しでも体調が悪そうな人がいたら、声をかけるなどの配慮をお願いいたします。

また、屋内での熱中症発生割合も決して少なくはありません。
学校管理下に於ける熱中症の発生事例
文部科学省の調査によると、学校管理下における熱中症の発生場所として、特に下記の場面が多いようです。
- 非常にあついとき
- 下校時
- 休み明け
- 学校行事
これらの情報を踏まえ、それぞれの場面に応じた熱中症対策を講じることが重要です。

21度以上で注意が必要
熱中症は、気温が21℃を超えると発生のリスクが高まると言われています。
- 21℃~25℃:注意が必要。こまめな水分補給や休憩を促しましょう。
- 25℃~28℃:積極的に休憩を推奨。運動強度を下げるなどの対策も検討しましょう。
- 28℃以上:運動や活動の中止も視野に入れる必要があります。
「まだ21℃だから大丈夫だろう」と思われるかもしれませんが、湿度や風の状況によって、体感温度は大きく変わります。暑さの感じ方には個人差もありますので、気温だけでなく、WBGT(暑さ指数)なども参考にしながら、総合的に判断することが大切です。
体育教師や施設管理者の皆様には、熱中症予防のための運動指針を十分に理解し、適切な指導をお願いいたします。

熱中症になったら?(応急処置)
もし、熱中症の疑いがある人がいたら、以下の応急処置を迅速に行ってください。
- 涼しい場所へ移動させる: 直射日光の当たらない日陰や、風通しの良い場所、クーラーの効いた室内などに移動させましょう。
- 衣服を緩めて熱を逃し、身体を冷やす: きつい衣服は脱がせ、ネクタイやベルトなども緩めます。可能であれば、皮膚に水をかけたり、濡れたタオルや保冷剤などを当てて、体を冷やしましょう。特に、首筋、脇の下、太ももの付け根など、太い血管が通っている部分を冷やすのが効果的です。
- 水分、塩分を補給する(意識がある場合): 意識がはっきりしていれば、水分と塩分を補給させます。スポーツドリンクや経口補水液などが適しています。もし、吐き気がある場合は、無理に飲ませないでください。
- 少し休んでもよくならないと思ったら救急車を呼んでください: 症状が改善しない場合や、意識がない、けいれんがあるなどの重篤な症状が見られる場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
また、学校やスポーツ施設には、万が一の事態に備えて、応急処置に必要な用具をまとめた熱中症対策キットを用意しておくことをお勧めします。AED(自動体外式除細動器)と合わせて、安全対策を万全にしておきましょう。
ページ作成:東洋体機株式会社
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