公開日:2019/05/19 -> 更新日:2023/07/05

Q:後部フレームが無いサッカーゴールは安全でしょうか?

サッカーゴールの後ろ側のフレームが無いものをカタログで見ました。
ゴールが前に倒れる事故がよく起こっているようですがこのゴールは安全でしょうか?
質問

A:転倒や事故予防には留意されており、特に安全が劣るものではありません

サッカーゴールのカタログをご覧になったのですね。後ろ側のフレームがないゴールを見て、「前に倒れる事故がよく起こっているようだけど、このゴールは安全なのかな?」と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、ゴールが倒れる事故は時折報道されますので、安全性について気になるのは当然のことだと思います。

ご質問の「後部フレームが無いゴール」というのは、おそらくこのような形状のものだと考えられます。

一般的なゴール
後部フレームが無いゴール

このタイプのゴールは、後部の縦フレームも横フレームも省略されています。一見すると、「大丈夫かな?」と感じるのも無理はありません。

後部フレームが無いゴールのメリット

それでは、なぜこのような後部フレームのないゴールが使われることがあるのでしょうか?主に3つの理由が挙げられます

1. 演出上の理由

後部にフレームがないと、ゴールネットの張りが少し緩やかになります。また、フレームにボールが当たるということがなくなるため、ゴールが決まった瞬間にボールがネットの中でふわっと落ちるような動きになります。

この動きは、ゴールの余韻をより長く感じさせ、スポーツの演出効果を高めることができます。特にプロの試合などでは、TVや写真にその美しい瞬間が捉えられやすいため、この「演出上の理由」は非常に重視される傾向にあります。

2. 誤審の防止

ゴールが決まった際、ボールが後部フレームに当たってすぐに跳ね返ってしまうと、審判や観客にとって「本当にゴールしたのかどうか」が分かりづらい場合があります。過去には、この跳ね返りによって誤審が発生し、問題になったケースも報告されています。

後部フレームがないことで、ボールが跳ね返ることがなくなり、誤審のリスクを減らすことができるのです。クリーンな判定は、スポーツの公平性を保つ上で非常に重要です。

3. コストダウン

単純に考えると、フレームの材料が減る分、コストを抑えることができるように思えます。しかし、後部フレームがない代わりに、他の部分の耐久性を高めたり、転倒防止のための対策をしっかりと行う必要が出てきます。

そのため、トータルで見るとコストダウンの効果はそれほど大きくない場合もあるようですが、一部にはコスト削減を目的として後部フレームレスのゴールが採用されることもあるようです。

後部フレームレスゴールの安全対策(転倒防止策)について

さて、皆さんが最も気になるのは、やはり安全性についてでしょう。「後部フレームがないと、前に倒れやすくなるんじゃないか?」という疑問は当然だと思います。

この点については、各メーカーも非常に注意を払って製品開発を行っていますので、ご心配されているような「前に倒れやすくなる」ということはほとんどありません。

具体的には、以下のような対策が施されていることが多いです。

  • 前部の軽量化: ゴール前側の部材を軽量化することで、重心が前に偏るのを防ぎます。
  • 後部パイプの強化: 後ろ側のパイプの肉厚を増したり、より重い素材を使用したりすることで、全体のバランスを取り、安定性を高めます。
  • アンカーの設置: グラウンドにしっかりと固定するためのアンカーを設置することを前提とした設計になっています。
  • ウェイトの併用: 必要に応じて、ゴールにウェイトを取り付けて転倒を防ぐ措置が取られることもあります。

このように、きちんと安全対策が施されていれば、後部フレームレスのサッカーゴールであっても、一般的なゴールと比較して特に安全性が劣るということはありません。むしろ、誤審防止というメリットもあるわけです。

ただし、注意していただきたいのは、ゴールの設計思想はメーカーによって異なるということです。今回お話しした内容は、主に体育用品メーカーである「ルイ高社」の製品を参考にしています。

重要なのは、どのようなタイプのゴールであっても、設置方法を正しく守り、定期的な点検を行うことです。アンカーがきちんと固定されているか、各部に緩みや破損がないかなどを確認することで、事故を未然に防ぐことができます。

後部フレームの有無にかかわらず、安全に配慮した環境で、生徒たちが安心してサッカーを楽しめるように、私たち教職員も日頃から注意を払っていきたいものですね。もし、ご使用のゴールについて気になる点があれば、メーカーに問い合わせてみることをお勧めします。

Tags:

ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

運動施設・学校向け 体育器具・スポーツ用品専門会社
設立は1963年。
知られる機会があまり無い「運動器具の知識・選び方etc」を各種施設管理者向けに紹介していきます。

  • Vimeo
  • Youtube

安全対策用クッション敷設事例 詳細ページ