公開日:2025/04/26

埋め込み式ポイント杭の事故を防ぐための事故原因と対策

グラウンドにおける埋め込み式ポイント杭の安全管理について

埋め込み式のポイント杭は、グラウンドの区画や目標を示す上で重要な役割を果たしますが、その管理を怠ると予期せぬ事故につながる可能性があります。本稿では、埋め込み式ポイント杭による事故事例とその原因を分析し、安全なグラウンド環境を実現するための具体的な対策について解説します。

埋め込み式ポイント杭による事故事例と潜在的な危険性

埋設された杭の位置不明による事故

グラウンドに埋め込んだ杭の場所が分からなくなってしまうという事例は少なくありません。特に、長期間使用している場合や、複数人で管理している場合に起こりやすくなります。

設置場所の記録漏れによる所在不明

杭を設置した際に、その場所を正確に記録していなかったり、記録した情報が適切に共有されていなかったりすると、後になって杭の位置が分からなくなることがあります。

マーカーの劣化・脱落による目印の消失

地表に出ているマーカー部分の素材はビニールやゴムが使われることが多くあります。
これらは、経年劣化や衝撃によって破損したり、外れて紛失したりすることがあります。マーカーがなくなると、地中に埋まっている杭の位置を特定することが困難になります。

土壌流出による杭の露出と危険

雨水や風などによってグラウンドの土や砂が少しずつ流出し、地中に埋まっていた杭が露出することがあります。
露出した杭は、児童や教職員が躓いたり、転倒したりする原因となり、転倒時に体をひっかけて大きな怪我につながる可能性があります。

露出した杭による負傷事故の発生

実際に、グラウンドに露出した杭によって、大けがをするという事故も複数、報告されています。

埋め込み式ポイント杭の事故原因分析

【原因】事故発生の要因

埋め込み式ポイント杭による事故は、いくつかの要因が複合的に作用して発生すると考えられます。

設置場所情報の管理体制の不備

最も大きな原因の一つとして、杭の設置場所に関する情報が適切に管理されていないことが挙げられます。設置時の記録が不十分であったり、記録された情報が担当者間で共有されていなかったりする場合、時間の経過とともに杭の位置が不明確になってしまいます。

定期的な点検・保守の不足

杭やその周辺の状況を定期的に点検し、必要に応じてメンテナンスを行うことが不足している場合も、事故のリスクを高めます。マーカーの劣化に気づかなかったり、土壌の流出による杭の露出を放置したりすることが、事故につながります。

杭の材質と経年劣化

使用されている杭の材質によっては、経年劣化が進みやすく、破損や腐食によって地中で見つけにくくなることがあります。また、マーカー部分の耐久性が低い場合も、早期の紛失につながります。

埋め込み式ポイント杭の安全対策と管理方法

【対策】事故防止に向けた具体的な対策

埋め込み式ポイント杭による事故を防ぎ、安全なグラウンド環境を維持するためには、以下のような対策を講じることが重要です。

設置場所の正確な記録と管理体制の構築

杭を新設する際には、設置場所を正確に測量し、図面や写真などを用いて記録することが不可欠です。記録した情報は、複数の担当者で共有し、容易に参照できるような管理体制を構築する必要があります。

定期的な点検とメンテナンスの実施

グラウンドの定期的な点検時に、杭のマーカーの状態や、杭周辺の土壌の状態を確認するルーティンを設けることが重要です。マーカーの破損や紛失が見られた場合は速やかに補修・交換を行い、土壌の流出によって杭が露出している場合は、土を盛り直すなどの対応が必要です。

マーカー部分の耐久性に優れた杭の選定と適切な交換

杭を新設・交換する際には、マーカー部分が耐久性の高い材質の杭を選定することを推奨します。また、耐用年数を考慮し、定期的な交換を行う計画を立てることも重要です。

将来的なリスク低減に向けた杭の検討

将来的な管理の負担を軽減するために、一定期間が経過すると自然に分解される素材の杭の導入も検討する価値があります。これにより、長期間にわたる所在不明のリスクを低減することができます。

このタイプの杭の種類は多くありませんが、ルイ高社が発売している「パイオポイント」は、通常の杭と同程度の価格でコストパフォーマンスに優れます。

安全なグラウンド環境の実現に向けて

埋め込み式ポイント杭は、適切に管理することで安全かつ効果的にグラウンドの利用をサポートする道具となります。今一度、グラウンドに設置されている杭の管理状況を見直し、本稿で提案した対策を参考に、安全なグラウンド環境の実現に向けて取り組んでいただければ幸いです。

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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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