握力計の基礎知識
体力測定やトレーニングの現場でよく見かける「握力計」について、その基礎知識を分かりやすく解説していきたいと思います。
握力計とは
握力計は、文字通り、手を握る力を測定するための機器です。スポーツ施設はもちろん、学校の体力測定、リハビリテーションの現場など、幅広い場所で活用されています。一口に握力計と言っても、いくつかの種類があり、用途や予算によって最適なものが異なります。
握力計の種類

スメドレー式、コラン式などがいくつかのタイプがありますが、手に入るのはほとんどがスメドレー式となっています。
スメドレー式とは、写真のように「グリップの外側に文字盤があるタイプ」のことを言います。
スメドレー式握力計には大きく分けて「デジタル式」と「アナログ式」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
デジタル式握力計
デジタル式握力計の最大のメリットは、測定値が自動で数値として表示されるため、誰でも正確な数値を把握できる点です。最小表示単位が細かく、より精密な測定が可能です。また、機種によっては、過去の測定データを記録したり、平均値を算出したりする機能が搭載されているものもあります。測定時の読み間違いといった人的な誤差を防げるのも大きな利点と言えるでしょう。
アナログ式握力計
一方、アナログ式握力計は、目盛りを読み取る必要があるため、デジタル式に比べると測定者の主観が入り込む可能性があります。しかし、構造がシンプルなため故障しにくく、電池が不要なので、いざという時にもすぐに使えるというメリットがあります。また、一般的にデジタル式よりも安価に入手できるため、初期費用を抑えたい場合や、頻繁に使用しない場合に適しています。
握力計の使い方

握力計の基本的な使い方は以下の通りです。
- 1. 姿勢: 立位または椅子に座った状態で、背筋を伸ばし、足を肩幅程度に開きます。
- 2. 握り方: 握力計の中央部分を手のひら全体でしっかりと握ります。指の第二関節がグリップの中央にくるように調整しましょう。
- 3. 測定: 息を吐きながら、最大筋力で2~3秒程度、力を入れます。この際、腕や体全体を使わず、握る力だけで測定することが重要です。
- 4. 記録: 測定値を読み取り、記録します。通常、左右の手で2回ずつ測定し、それぞれの最大値を記録します。
測定する際は、反動を使ったり、体を大きく動かしたりしないように注意してください。正確な数値を測るためには、正しい姿勢と方法で行うことが大切です。

スポーツテストなどでは、左右交互に合計4回測り、最高値を採用するというやりかたをします。これが体力測定のスタンダードな方法です。
自然体で立ち、静止します。握力計が衣服についてしまうとやりなおしになります。
握力計の保管
握力計は精密機器ですので、適切な保管方法を心がけることが長持ちさせる秘訣です。以下の点に注意して保管しましょう。
- 高温多湿を避ける: 直射日光の当たる場所や、湿気の多い場所での保管は避けましょう。故障の原因となることがあります。
- 埃を防ぐ: 埃は機械内部に入り込み、誤作動の原因となることがあります。使用しないときは、ケースに入れたり、カバーをかけたりして保管することをおすすめします。
- 衝撃を与えない: 落としたり、強い衝撃を与えたりすると、故障や測定値のずれにつながる可能性があります。丁寧に扱いましょう。
握力計のメンテナンス
長く正確に握力計を使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
測定値に違和感があったり、体力測定などの重要な場面で使用する前には、必ずメンテナンスを行い、機器の正確性を確認しておきましょう。
握力計の修理・検定について
握力計の修理や、測定値の正確性を保証するための検定は、一般的に製造メーカーが有料で実施しています。
検定を依頼する場合、握力計本体をメーカーに返送する必要があるため、通常、3週間から1か月半程度の期間を要します。特に繁忙期には、さらに日数がかかることもありますので、余裕をもって依頼するようにしましょう。
握力計の検定目安
- 費用: 税別 ¥8,000~¥12,000 / 台
- 納期: 3週間~1.5か月
- 一度に依頼される台数: 4~8台程度
送料や検定費用を考慮すると、学校やスポーツ施設で使用するような、ある程度の価格帯の機器を複数台まとめて検定に出すのが効率的です。個人用の比較的安価な握力計の場合、検定費用が新品の購入費用を上回ったり、そもそもメーカーが検定サービスを提供していないこともありますので、事前に確認が必要です。
今回の記事では、握力計の基本的な知識として、種類、使い方、保管方法、そしてメンテナンスについて解説しました。握力計は、体力測定やトレーニングにおいて重要な役割を果たす機器です。正しい知識を持ち、適切に使用・管理することで、より効果的な活動に繋げることができます。
ページ作成:東洋体機株式会社
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