とび箱とは箱を積み重ねた運動器具です。
学校体育要目になっているため、どの小学校にも置いてありますね。
この跳箱を手入れせずに放置しておくと、見えないところがボロボロになって事故につながります。
この記事でとび箱の事故を減らせればと思います。
見えないところが壊れた事例と対処法を知ることで適切な対処につなげましょう
幼児用などではスポンジ素材のとび箱もあります。
しかし、基本的には木でできています。
使用時には強い衝撃がかかります。
しかも何年も使われる器具なので、必ず傷んでくるものです。
ボロボロになる部分はある程度決まっていて、
- 張られている布地(気づきやすい)
- 本体の木枠(気づきにくいところもある)
- 各段の底にあるゴム(気づきにくい)
- 段を重ねるため突起(気づきにくい)
などがあります。ここでは、気づきにくい2~4の箇所を見ていきます。
とび箱本体の木枠部分の劣化
跳箱は木枠を6~8段ほど重ねてこのような形状になります。
1段ごとに見ていきましょう。
木材を組み合わせて枠を作り、それにでっぱりを付けます。
でっぱりがあることで、すべり止めのゴムや段を重ねてもずれません。
かなり頑丈なつくりをしています。
しかし、木でできているため耐久性にも限界があります。
収納するときや組み立てのときにぶつけたり、長く使ううちに少しずつボロボロになります。
また、木材の表面が剥がれたり割れたり折れたりしていきます。
これは表面が剥がている状態の写真です。(ゴムも古くなっています)
一部だけの劣化であれば、修理できます。
その部分を切って、新たな木をはめ込み固定します。
全体的に劣化しているのであれば、買い替えましょう。
そのとび箱自体の寿命だと考えた方がいいです
とび箱の各段底面にある、ゴムの劣化
とび箱の底にはゴムがあります。
衝撃を吸収するためとすべり止めのために付けられています。
ここも劣化しやすい部品です。
1段あたり合計4個ついています。
赤枠で囲まれた部分(と、奥の1箇所)の
それが、それぞれの段についています。
下は年季のはいったとび箱の写真ですが、ゴム自体は外れていません。
下のとび箱は底のゴムが外れていますね。
こうなるとひと目でわかります。
触ってチェックし、早めに発見することをオススメします。
ゴムは木枠と違って交換用部品を販売していることがあります。
とび箱のメーカーや購入店、体育用品の販売店などに連絡してみてください。
部品の扱いがあるかどうかを確認しましょう。
その際に、跳箱のメーカーや型番が必要になることもあります。
各メーカー共通の底ゴムはなく、使われているものがまちまちだからです。
「○○というメーカー」の「△△」という型番のとび箱の底ゴムの部品はありますか?
と聞いてください。
左右の違いを聞かれたら、「跳箱の短い辺に向かって右側(左側)」
といえばわかってもらえると思います。
また、底のゴムを付けるとび箱本体も要チェックです。
ゴムを付ける木部が傷んでいるとネジ(大抵はネジ留めです)で固定できません。
「せっかく合う底ゴムを取り寄せたのに」とならないように注意しましょう。
とび箱本体が傷んでいた場合でも大丈夫です。
傷んだ木部をカットし、新たな木材を接着・補強してから底ゴムを取り付けます。
外科手術のようですね。
どうしようもない場合は、使用禁止にして、捨てましょう。
跳箱を重ねるためのでっぱりの劣化
跳箱を重ねてもずれないのは、重ねる下の段にでっぱりがつけられているからです。
素材は木製だったり金具だったりといろいろあります。
ここも劣化すると折れる・ぐらつく・無くなるといったことになります。
下記の写真は、それぞれ木製のでっぱり、金属製のでっぱりです。跳箱によって使われる部品はさまざまです。
でっぱりが不安定になると、跳箱の固定がゆるくなってしまいます。
使用中にとび箱本体が崩れることもありえます。
実際にとび箱が崩れる事故も起こっています。
この部品に関しては、メーカーが交換用部品を販売しているケースはあまり無いようです。
念のためにメーカーか販売店に確認してみてください。
たとえ交換部品が無くても、似た機能を持つ構造に修理することができることもあります。
お近くの工務店でご相談ください。
修理ができない場合は、買い替えましょう。
まとめ
- 跳箱は目に見える部分だけではなく、気づきにくい箇所も劣化が進む
- 上部の布地・木枠本体・底のゴム・でっぱりは要チェックな箇所
- 異常が見つかれば使用禁止にして修理か廃棄を検討するべき
授業での跳箱の出し入れは生徒が行うことも多いので、劣化に気づきにくいこともあります。
「跳箱の見えないところも劣化する」ということを忘れず、定期的に確認すると事故を防ぐことができます。
Last Update: 2021-05-27