学校用プールの水温基準とは?教職員が知っておくべきポイントと快適な水温管理
学校のプールは、子どもたちの体力向上や水泳技術の習得に欠かせない施設ですよね。しかし、プールの水温管理は、単に「冷たすぎず、温かすぎず」というだけでは不十分です。快適な水温は、生徒たちの安全や健康、そして水泳指導の質にも大きく影響します。
今回は、学校用プールの水温基準について、文部科学省の通達を基に、より快適な水温の目安や安全管理の注意点、そしておすすめの水温計についてご紹介していきます。
文部科学省が示すプール水温の最低基準
まず、学校のプール水温に関して、文部科学省からの重要な通達があります。これは、学校におけるプールの最低限の管理基準を示すものです。
この通達は、プール水の温度が22℃を下回らないようにすること、そしてプール全体で水温が偏らないようにすることを求めています。これは、生徒が冷たい水によって体調を崩すことを防ぎ、安全に水泳ができる環境を確保するための最低限の基準と言えるでしょう。
快適な水泳のためのプール水温の目安
文部科学省の通達は最低ラインですが、実際の現場では、生徒の年齢や水泳の目的によって、より快適な水温が求められます。一般的な目安として、以下のような水温がよく採用されます。
目安となるプールの水温
25℃以下
この温度帯は、長時間の遊泳では体が冷えやすく感じられることがあります。特に、体力があまりない生徒や、水に慣れていない生徒にとっては、かなり冷たく感じられるかもしれません。そのため、学校のプールではあまり採用されないことが多いです。
25~28℃
この水温は、主に競泳において全力を出しやすいと言われています。体が冷えすぎず、かといって暑すぎないため、パフォーマンスを最大限に引き出しやすい温度帯です。
26~31℃
屋外プールの場合、この範囲が理想的とされることが多いです。気温よりも少し高めに設定することで、水に入ったときのひやっと感を和らげ、快適に泳ぎ始めることができます。
29~31℃
こちらも屋外プールでよく採用される水温です。比較的高い水温なので、肌寒い日や、気温がそれほど高くない日でも快適に水泳を楽しめるでしょう。
30℃前後
水泳初心者や幼児、高齢者が使用するプールでは、この水温が適していると考えられます。体への負担が少なく、水に慣れるためのハードルを下げることができます。特に幼児は体温調節機能が未熟なため、温かめの水温が望ましいです。
安全面にも注意が必要な水温管理
プールの水温は、快適さだけでなく、安全面からも適切な管理が求められます。
水温が高すぎると、菌の繁殖が促進される可能性があります。特に30℃を大幅に超えるような水温は、レジオネラ菌などの増殖を招くリスクが高まります。また、水温が高いと塩素が気化しやすくなり、プールの水質管理に必要な塩素剤の投入量が増えたり、効果が薄れたりすることも考えられます。
これらの理由から、水質の管理面からも、プールの水温が30℃を大幅に超えることのないよう、十分な注意が必要です。定期的な水温チェックと、必要に応じた水質の検査を行うことが重要になってきます。
もしまだお使いでなければ、下記のような水温計を検討しましょう。
上記の温度計はよく使われている佐藤計量器の製品。もしくはショッピングモールであればより多くの製品から選択いただけます。
おすすめの水温計
正確な水温管理には、信頼できる水温計の導入が不可欠です。
ショッピングモールでも入手しやすく、
特に運動器具メーカーの「エバニュー」や「トーエイライト」、「三和体育」の製品だと学校現場で多く使われていて安心感があります。
三立 SE-2003 ベッテンコーヘル水温計
メーカー:三立
品番 :SE-2003
商品名:ベッテンコーヘル水温計
税別定価:13500円(2025年度時)
販売価格:販売店舗により異なります
上記の水温計、もしくはショッピングモールであればより多くの製品が見つかります。
また、下記ページの記事では、学校のプールで使いやすく、正確な計測が可能な水温計を下記のページにていくつかご紹介しています。
これらの水温計は、耐久性や計測のしやすさ、視認性などを考慮して厳選しました。先生方が日々のプール管理をよりスムーズに行えるよう、ぜひご検討ください。
プールは生徒たちにとって、楽しい学びの場です。適切な水温管理を行うことで、安全で快適な環境を提供し、充実した水泳指導を実現できるでしょう。
ページ作成:東洋体機株式会社
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