水泳指導の頼れる相棒、ビート板の種類と特徴、選び方、保管方法
ビート板は水泳の授業で泳法指導につかう補助具です。自力で水に浮くことが出来なくても、ビート板の浮力を利用して浮くことができます。そのため、安心して水に親しむための助けになります。
水泳の授業では、生徒たちが水に親しみ、基本的な泳ぎを習得するための大切なアイテム、ビート板。今回は、そんなビート板について、その役割から種類、そして長く大切に使うための保管・メンテナンス方法まで、詳しく解説していきたいと思います。
「ただの板」と思われがちなビート板ですが、実は水泳指導において非常に重要な役割を果たしています。まだ水に慣れていない生徒さんにとって、水に浮くことへの不安を軽減し、安心して水と触れ合うための第一歩をサポートしてくれる心強い味方です。また、基本的なキックやストロークの練習においても、体の軸を安定させ、正しいフォームを身につけるための重要な補助具となります。
ビート板とは:水泳学習のファーストステップ
改めて、ビート板とは水泳の授業で、主に泳法指導の初期段階で用いられる浮力補助具です。水に自力で浮くことに不安を感じる生徒さんでも、ビート板を持つことで安心して水に浮く感覚を体験できます。この安心感が、水への恐怖心を和らげ、水慣れの第一歩をスムーズに進めるために不可欠となります。
ビート板の浮力は、生徒が水中でリラックスし、手や足の動きに集中することを可能にします。例えば、キックの練習では、ビート板を掴むことで上半身が安定し、下半身の動きに意識を集中させることができます。また、ストロークの練習では、ビート板を足に挟むことで下半身が安定し、腕の動きに集中することができます。
このように、ビート板は単に浮くための道具ではなく、水泳の基本的な動作を習得するための重要なツールと言えるでしょう。
多彩なビート板の種類:用途と特徴を知る
一言にビート板と言っても、その形状や機能には様々なバリエーションがあります。それぞれの特徴を理解することで、授業の目的や生徒のレベルに合わせた適切なビート板を選ぶことが可能になります。
シンプルな四角形

最も一般的で、多くの学校やスイミングスクールで見かけるのが、シンプルな長方形のビート板です。軽量で扱いやすく、基本的な浮力補助やキックの練習など、幅広い用途に対応できます。素材には、主にポリエチレンやEVA樹脂などが用いられ、適度な硬さと浮力、そして耐久性を兼ね備えています。
↓シュリンクを付けた状態なので光沢があります

メーカーによって、サイズや厚み、硬さ、そして表面の加工などに若干の違いがあります。例えば、表面に滑り止め加工が施されているものは、より安定して持つことができます。また、ロゴが刻印されていることで、学校や団体での管理がしやすくなるというメリットもあります。
下記は体育用品製造のエバニュー社のもの。サイズはほぼ同じだが、ロゴが刻印されています

方向性を持ったもの
近年では、より効率的な練習をサポートするために、形状に工夫が凝らされたビート板も登場しています。その一つが、前後の方向性を持ったビート板です。

このタイプのビート板は、前方部分がカーブしており、後方には切れ込みが入っているのが特徴です。この形状により、水中でビート板を持つ際に水の抵抗を受けにくく、スムーズなキック動作をサポートします。
また、胸の下にビート板を置いた際に、体のラインに沿ってフィットするように中央部分がくり抜かれているものもあります。これにより、ビート板がずれにくく、より安定した姿勢で練習に集中することができます。特に、ストロークの練習において、体の軸をしっかりと保つために有効です。
多機能な選択肢:ブイにもなるビート板
さらに、ビート板の中には、ビート板としてだけでなく、プルブイとしても使用できる多機能なタイプも存在します。形状は方向性を持ったビート板と似ていますが、素材の密度や形状の工夫により、太ももの間に挟んで使用する際に適切な浮力を得られるように設計されています。
これにより、一つのアイテムでキックとプル、両方の練習に対応できるため、用具の数を減らしたい場合や、効率的な練習を行いたい場合に便利です。

ビート板中央が縦に凹んでいます。普通のビート板として使うほか、足で挟むこともできます。
手で持つより泳ぐ難易度は高くなりますが、腕で水を書く練習がしやすいメリットも。
楽しさをプラス:その他の個性的なビート板
長い形状が特徴の「ロングビート板」や、大きな浮力を持つ「浮島」といった、ユニークなビート板も存在します。
ロングビート板は、通常のビート板よりも安定感があり、より長い距離のキック練習に適しています。また、複数人で持って水に浮くなど、レクリエーション的な要素も取り入れやすいのが特徴です。
一方、浮島は、その名の通り、水に浮かぶ大きな島のような形状をしており、子供たちが複数人で上に乗って遊ぶことができます。水に親しみ、楽しさを体験するためのツールとして、水泳指導の導入段階で活用するのも良いでしょう。ただし、安全に配慮した指導を行うことが重要です。
ビート板の保管・メンテナンス:長く使うために
ビート板は、適切な保管とメンテナンスを行うことで、長く快適に使用することができます。特に、学校や団体で使用する場合は、多くのビート板を効率的に管理し、衛生的な状態を保つことが重要になります。
保管方法:紫外線と天候に注意
ビート板の素材であるポリエチレンやEVA樹脂は、紫外線に長時間さらされると劣化し、変色やひび割れの原因となることがあります。そのため、使用しないときは、できるだけ日陰に保管することが推奨されます。
また、屋外に保管する場合は、強風や台風などで飛ばされないように注意が必要です。可能であれば、屋内の倉庫や物置などに収納するのが理想的です。
収納の工夫:効率的な管理と水切り
多くのビート板をまとめて保管する際には、専用のビート板収納棚を活用するのが非常に便利です。収納棚を使用することで、ビート板を整然と保管できるだけでなく、使用後のビート板を立てかけておくことで、同時に水切りを行うことができます。
水切りをしっかりと行うことで、カビや雑菌の繁殖を抑え、ビート板を衛生的に保つことができます。また、次の授業で生徒が気持ちよく使えるように、日頃からのメンテナンスを心がけましょう。
収納棚には、様々なサイズや形状のものがありますので、保管場所やビート板の数に合わせて適切なものを選ぶと良いでしょう。キャスター付きの収納棚であれば、移動も容易に行えます。

まとめ:ビート板を理解し、より豊かな水泳指導を
ビート板の種類、選び方、そして保管・メンテナンス方法について詳しく解説しました。ビート板は、水泳指導において、生徒たちの水慣れを助け、基本的な泳ぎの習得をサポートする不可欠なアイテムです。
それぞれのビート板の特徴を理解し、授業の目的に合わせて適切に活用することで、より効果的な水泳指導が実現できるはずです。また、日頃の適切な保管とメンテナンスは、ビート板を長く大切に使うために非常に重要です。
ページ作成:東洋体機株式会社
Related Posts
- 2021/06/21 ナレッジ プール用マスクを使うメリット
- 2021/05/26 ナレッジ 学校用プールの水温基準
- 2021/05/26 製品選び 学校・スポーツクラブ用オススメ水温計
- 2021/05/30 ナレッジ コースロープフロートの安全性・危険性・怪我のリスクについて
- 2021/05/20 ナレッジ コースロープフロートの概要 - 種類・特徴・保管について
新サイト開設のお知らせ|スポーツカタログ
ナレッジに「サイズ別サッカーボールの特徴・選び方【5号球/4号球/3号球】」のページを追加しました
Q&Aに「Q:購入した商品が破損していたらどうすればいいですか?」のページを追加しました
製品選びに「おすすめのケンパ遊び用グッズ - 体力づくり・レクリエーション兼用」のページを追加しました
製品選びに「ボール用ポンプ・コンプレッサーの種類とおすすめ製品」のページを追加しました