公開日:2021/05/26 -> 更新日:2022/12/06

ホイッスルとは? ホイッスルの使用目的・特徴・違い

体育の授業や部活動、または緊急時の合図など、皆さんの学校生活の中でホイッスルを使う機会は意外と多いのではないでしょうか? 一口にホイッスルと言っても、その種類や特徴はさまざまですよね。「どれを選べばいいんだろう?」「今のホイッスルで本当に大丈夫かな?」と疑問に感じたことはありませんか?

今回は、そんなホイッスルについて、その特徴や選び方のポイント、さらには目的別の活用法まで、掘り下げてご紹介したいと思います。

ホイッスルとは?

ホイッスルは、簡単に言えば「合図や警告音を出すための道具」です。その目的は多岐にわたり、

  • 合図(例えば、体育の開始・終了の合図)
  • 警告(危険を知らせる時など)
  • 防犯(護身用として)
  • しつけ(動物の訓練など)
  • 鳥寄せ(バードウォッチングなど)

といった用途で使われます。目的が幅広い分、使うシーンや人も実に多様です。電車の車掌さん、警察官、スポーツのレフェリー、警備員さん、誘導員さんなど、私たちの身の回りにはさまざまな場所でホイッスルが活躍しています。

ホイッスルを使うことに、特に厳しいルールはありません。「鳴れば何でもいい」と考えることもできますが、状況に合わないホイッスルを選んでしまうと、使いづらさを感じたり、本来の目的が果たせなかったりすることもあります。頻繁に使う場合も、万が一のために携帯する場合も、適切なホイッスルを選ぶことが大切だと私は考えます。

最適なホイッスルを選ぶためには、いくつかの特徴を意識してみると良いでしょう。

ホイッスルの違いはどこにあるのか?

ホイッスルを選ぶ際に注目すべきポイントはいくつかあります。それぞれの違いを理解することで、ご自身の用途に合った最適なホイッスルを見つけられるはずです。

音量の大小

まず、音の大きさは重要な要素です。ホイッスルの構造によって、最大音量はほぼ決まってしまいます。例えば、100円ショップで売られているような簡易的なホイッスルでは、広いサッカー場全体に響き渡るような大音量を出すのは難しいでしょう。どれだけ強く吹いても、ホイッスルが持つ能力以上の音を出すことはできませんから、使用する場所の広さや周囲の騒音レベルを考慮して選ぶことが大切です。

音の高低

次に、音の高さもホイッスルの種類によって異なります。

高い音を出すホイッスルは、騒がしい場所でも遠くまで音を届かせやすい特徴があります。一方、低い音のホイッスルは、耳障りが良く、聞く人に不快感を与えにくい傾向があります。どちらが優れているというわけではなく、例えば体育館のような響きやすい場所では低音の方が聞き取りやすいかもしれませんし、屋外の広いグラウンドでは高音の方が遠くまで聞こえるかもしれません。このように、目的や使用場所によって使い分けるのが良いでしょう。

音色

音色とは、音の響きや、その音から受ける印象のことです。鳥の鳴き声のような心地良い音色のものもあれば、そうではないものもあります。例えば、訓練で使う場合は特定の動物に反応しやすい音色を選ぶこともあるでしょうし、人が聞く場合は耳馴染みの良い音色を選ぶなど、相手に与える印象を考慮してホイッスルを選ぶこともあります。

音のキレ

ホイッスルの「音のキレ」とは、「吹いてからすぐに音が出るか」「吹くのをやめたときにすぐに音が止まるか」という点です。

音の出と終わりが間延びしているホイッスルは「キレが良くない」と言えます。反対に、すぐに音が鳴り出し、止めた瞬間に音が途切れるのが「キレの良い」ホイッスルです。ピッと短く鳴らしたい場面が多いスポーツの審判などにとっては、このキレの良さが非常に重要になります。

音の方向

ホイッスルの中には、音が出る方向やその広がり方まで緻密に計算されているものもあります。これは主に競技用ホイッスルに見られる傾向で、使用場所が屋内か屋外か、会場の広さはどの程度か、といった点が考慮されています。特定方向へ音を届けたい、あるいは広範囲に音を響かせたい、といったニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。

持ちやすさ

特にスポーツの審判にとって重要なのが、ホイッスルの持ちやすさです。手や首から下げた状態で、どれだけ早く手に持ち、構えることができるかということも含まれます。

試合中の審判は、反則や警告に合図を出したり、メモを取ったり、時計を見たりと非常に忙しいものです。ホイッスルを手に取ったときに手間取ることがないよう、音色だけでなく、持ちやすさもかなり重要視されるポイントだと考えます。

吹きやすさ

吹く息がすべて効率良く音に変換されると、ホイッスルは吹きやすく感じられます。もし、吹いた息がホイッスルの横から漏れてしまうと、大きな音は出せませんし、吹きづらく感じます。また、間の抜けた音になってしまう原因にもなります。無駄なく息が音になるホイッスルは、長時間の使用でも疲れにくいと言えるでしょう。

手入れしやすさ

ホイッスルの素材によって、水洗いができるかできないかが異なります。一般的に金属製のホイッスルは水に弱くデリケートな場合がありますし、内部にコルクが使われているホイッスルも、あまり水に濡らさない方が良いとされています。日頃のメンテナンスにあまり手間暇をかけられない場合は、手入れが簡単にできるプラスチック製などのホイッスルを選ぶのがおすすめです。

素材

ホイッスルは口に触れるものですが、日本では食品衛生法や玩具基準の対象になっていません。そのため、公的に「このホイッスルは安全です」と証明されることが難しいという現状があります。

ただし、スポーツや警備、国防などの明確な用途のために作られているホイッスルは、それぞれの採用基準に合う素材を使って製造されていますので、基本的に人体に悪影響を及ぼすことはないと考えて良いでしょう。

一方で、安価なおもちゃのホイッスルなどでは、そのような採用基準が考慮されていない場合があります。「このホイッスルは安全だろうか」と少しでも不安に感じたら、個別にメーカーに問い合わせてみるのが確実です。

ホイッスルのメーカー

スポーツ用ホイッスルで特に有名なのは、モルテン、ミカサ、そして海外ではアクメ(英国)やフォックス40ワールド(カナダ)といったメーカーが挙げられます。

過去にはアシックスや野田鶴声社も多くのファンを持つメーカーでしたが、残念ながらアシックスはホイッスルの取り扱いがなくなり、野田鶴声社は廃業されてしまいました。

その他にも、デビカ、クツワ、銀鳥産業などもホイッスルを製造しており、用途に応じた様々な製品が展開されています。

ホイッスルと合わせて買いたいもの

ホイッスルをより快適に使うために、いくつか関連商品もご紹介させてください。

例えば、ホイッスルホルダーやグリップは、持ちやすさを向上させるのに役立ちます。また、首から下げられるストラップは、両手が自由になるため非常に便利です。特にスポーツの審判の方であれば、専用ホイッスルに専用のグリップを取り付けることで、格段に使いやすくなるはずです。

「普通の」ホイッスル例

特に限定された用途のものを探している、ということでなければ、一般的なホイッスルで事足りることも多いものです。ここでは、あえて「普通の」ホイッスルとしていくつかご紹介します。

エバニュー EKB213 プラポリスフエ +

メーカー:エバニュー
品番 :EKB213
商品名:プラポリスフエ +
税別定価:300円(2022年度時)
これといった特徴は無く、普通のホイッスルです。安価なのがメリットです。


販売価格:販売店舗により異なります

モルテン WTRBK トリルトーン

メーカー:モルテン
品番 :WTRBK
商品名:トリルトーン
税別定価:800円(2022年度時)
音色が綺麗なコルクホイッスルです


販売価格:販売店舗により異なります

モルテン RA0050-K PEホイッスル黒

メーカー:モルテン
品番 :RA0050-K
商品名:PEホイッスル黒
税別定価:800円(2022年度時)
ルクの代わりにスクローラーと呼ばれるものが入っています。コルクとは違って水分を吸収しないので水洗いでき、清潔です。


販売価格:販売店舗により異なります

ホイッスルの選び方

ここまでホイッスルの様々な特徴や違いについてご紹介してきましたが、結局のところ、ご自身の目的や用途に合わせて選ぶことが最も重要です。

  • 「体育の授業で使うから、広いグラウンドでもしっかり聞こえるものが欲しい」
  • 「緊急時用に常に携帯したいから、コンパクトで持ち運びしやすいものが良い」
  • 「部活動の指導で頻繁に使うから、吹きやすくて手入れも簡単なものが良いな」

など、具体的なシーンを思い浮かべながら選んでみてください。

電子ホイッスルなど、通常のホイッスルとは異なる特徴を持つ製品もありますので、気になる方はぜひそちらも検討してみてはいかがでしょうか。

ホイッスル一つとっても奥が深いですよね。今回の記事が、皆さんのホイッスル選びの一助になれば幸いです。

※紹介している商品価格は当ページに記載時のものです。最新の状況は各販売サイトでご確認ください。
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ページ作成:東洋体機株式会社

ページ作成者:東洋体機株式会社

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