公開日:2021/05/26

事故予防のためバレー/テニス支柱にはズレ上がり防止加工を

バレーボールやテニス支柱のネット締め器(=ネット巻き=ネット巻き上げ機)は、取り付け方がゆるいとネットのワイヤーに引っ張られ急激に上方向にズレて跳ね上がる「ズレ上がりによる事故」が起こりえます。
平成24年に発生した事故を受けてこのズレ上がりを防止する仕組みの導入が強く推奨されるようになりました。

製造メーカーや販売店は継続して対策・周知を行っていますが、ご利用のバレー/テニス支柱が古い場合は未対策状態である可能性があります。
いま一度、事故予防の対策内容を確認して用具の確認を行いましょう。

ネット締め器がズレ上がる状態とは

2本の支柱の間にスポーツ用のネットを張る際、支柱に取り付けてあるネット締め器が緩んでいるとネットのワイヤーに引っ張られたネット締め器が上方向に跳ね上がってしまうことがあり、それによって指を挟む・顔にぶつかるなどの事故に繋がります。

部活動準備で、ネットを張る作業をしていた。支柱にボルトナットが固定されたネット巻き上げ機のハンドルを回していた時、突然、ネット巻き上げ機が支柱を滑り、情報に勢いよく40㎝跳ね上がり、前かがみになって作業していた本生徒の下顎、口周辺に激突した。
平成24年1月5日 福岡県 高等学校 体育館での事故

ネット締め器のズレ上がりを防ぐには

まずは運用上の対策として、ネット締め器をしっかりと支柱に固定することが大前提です。

それに加えて、万一を予防するため支柱側に突起をつけ、ネット締め器が一定以上の高さに上昇しないようにする物理的な対策が有効です。

メーカー・販売店の事業者側が新たに行っている対策と周知内容は

  • 新たに製造する支柱にはズレ上がり防止機構をあらかじめ付ける
  • 購入時に同一メーカーでそろえるよう購入者・販売店に働きかける
  • 単体でのネット締め器を購入される際には書面で確認をとる
  • 既存の支柱にはズレ上がり防止機構を追加で取り付ける

といったものです。
支柱とネット締め器の仕様は各メーカーで異なる場合があるため、同一メーカーで揃えるのが基本となります。
また、ネット締め器だけを単体で購入する際には書面での確認を取ることで、購入者へ支柱への注意を喚起し、既存の支柱には無償で(メーカーによる)加工を行うこともされています。

下記は製造メーカーのひとつ三和体育製販による案内です。他のメーカーの多くも、自社のカタログにこのような案内を載せています。

確認・問い合わせを

バレーボール/テニス支柱のネット締め器によるズレ上がり事故は実際に起こったことで、今後も起こる恐れがあります。

しかし事前の対策を取ることでほぼ確実に防ぐことができますので、古い支柱があれば機構の有無を確認し、もしなければ購入店か製造メーカーまでそお問い合わせのうえ対策を行ってください。

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ページ作成:東洋体機株式会社

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