知っているようでよくは知らない障害者向けのスポーツ。

障害者向けのスポーツには、健常者向けスポーツのルールや用具を変えて行う場合もありますし、完全に新しい競技として誕生したものもあります。比較的はじめやすくて、多くの施設で行われている競技を紹介しますので、導入の参考にしていただければと思います。

追記:2019/07/17 「卓球バレー」を加えました

障害者スポーツの呼び方について
パラスポーツと呼び変えられることが多くなってきましたが、施設名・団体名・情報をお探しになる方の検索キーワードで多いのは障害者スポーツです。また、「しょうがい」の表記には「障がい」「障碍」など様々な意見があり、統一されていません。
これらを踏まえて、多くの方に知っていただくための名称をして当記事においては「障害者スポーツ」と厚生労働省の表記である「障害」にて統一させていただきます。

 

車いすバスケットボール(バスケットボール)

もっともメジャーな障害者スポーツの一つです。

障害者用バスケには独自のルールがあります。
日本経済新聞で紹介されていたので、その内容をお伝えします。

例えば、バスケ選手は障害の重症度ごとに点数がつけられ、クラス分けされています。

最も障害が軽いクラスは4.0または4.5点です。
逆に、最も障害が重いクラスは1.0または1.5点です。

そして、コートでバスケをする人5人の合計点数を14点以下にするというルールがあります。

障害が重い人も軽い人も楽しめるのです。

視覚・聴覚障害者用バスケットゴール

それぞれの障害をカバーできる機能がついています。
3タイプあります。
下の写真は聴覚・視覚障害者用です。

聴覚障害者用
視覚障害者用
聴覚・視覚障害者者用

聴覚障害者用は、耳が聞こえないことを目でカバーします。
審判のホイッスルが鳴ると赤いランプが光るので、目で見て合図が分かります。

視覚障害者用は、目が見えないことを耳でカバーします。
バスケット板から異なる音が鳴り、場所の特定ができます。
ゴール時にはインゴールの音がなります。

両方の性質をもつゴールもあります。

視覚、聴覚に障害があってもゲームがプレイ出来るよう、ゲーム中の合図の仕方に特徴があるゴールです。

いずれのタイプも設計見積りといって、現場環境により施工方法が変わる場合があるため
打ち合わせしながら価格を算出していく方式です。

頚髄損傷者用バスケットゴール(ツインバスケットゴール)

頸髄は首にある神経です。
傷ついた場所によっては体が動かなくなります。
そのため、健常者用の高い位置にあるゴールにシュートすることは難しいです。

ですが、諦めないでください。
脊髄損傷者もバスケ楽しめるように考えられたのが下の画像にあるツインバスケットゴールです。
これは、2016年のもので20万円前後の製品となっています。

高さは1.2mほどで、精髄損傷が軽く肘や指が動くプレイヤーならシュートできます。
下の写真にあるように、健常者用のバスケットゴールより低い位置にあります。

ちなみに、ツインバスケットゴールは「ツインバスケットボール」に使われます。

ツインバスケットボールと呼ばれるのは、コートに2つのゴールがあるからです。
下の写真にあるように、正規のゴール(3.05m)とツインバスケットゴール(1.2m)の2つが置かれているのです。

競技用車椅子

車イスバスケットゴールには規格があります。
下のイラストに書いてある条件を満たした車イスだけが試合で使えます。

こちらは、セノ―社製バスケット用の車椅子です。
ちなみにこちらの製品は課税対象外となっています。

車いすバスケットゴール用

車いすバスケットがしやすいようにしたいなら、床をスナップスポーツにすることをすすめます。

セノ―社のスナップスポーツを使えば、工事をしなくても簡単に様々な場所をスポーツの場所に変えることができます。

スナップスポーツを敷くと、体育館の床がこのようになります。

 

車いすバスケットボール用コートです。環境によって枚数が異なるので設計見積りとなっています。
基本は屋内用途ですが、屋外で使われる場合は一度メーカーにご相談ください。

ブラインドサッカー(サッカー)

フットサルを元にした競技で、障害の程度によってブラインドサッカーとロービジョンフットサルに分かれています。

ブラインドサッカーはキーパー以外の選手は全盲で、
ロービジョンフットサルは弱視の選手が主にプレイします。

ブラインドサッカーボール

昔はいくつか製造メーカーがありましたが、現在は株式会社イミオが製造し、NPO法人ブラインドサッカー協会が販売する「SFIDA(スフィーダ)」ブランドの物のみになっているようです。

ボールサイズはフットボールと同じ。聴覚により状況が分かるように、音が出る構造になっています。

株式会社イミオ社 WEBサイト HTTPS://IMIO.CO.JP/ より

ブラインドサッカー用ゴール

サッカーゴールよりも小型のブラインドサッカー用ゴールです。

ブラインドサッカーゴールにも練習用や試合用などいくつかのバリエーションがあります。NPO法人日本ブラインドサッカー協会WEBサイトによると、縦2.14×横3.66mとなっています。

http://www.b-soccer.jp/

下記は、三和体育製販株式会社のブラインドサッカーゴールです。

シッティングバレーボール(バレーボール)

障害者向けのバレーボールはシッティングバレーボールです。
シッティングsittingという名前通り、座ったまま行うバレーです。

日本パラリンピック委員会によるシッティングバレーボール説明を引用します。

シッティングバレーボールは、床に臀部(お尻)の一部をつけたまま行う6人制のバレーボール。

試合は国際バレーボール競技規則に準じてラリーポイント制・
5セットマッチ(3セット先取で勝利)で行われる。

サーブ、ブロック、スパイクなどの際は、立ち上がったり飛び跳ねたりして床から臀部を浮かしてはならないが、レシーブの際だけ短時間の
臀部の離床が認められている。

シッティングバレー用 支柱・ネット

コートの広さは一般のバレーボールコートよりも狭くなっています。

これがシッティングバレーボールのコートです。

こちらが、一般的なバレーボールのコートです。

 

コートの大きさは、シッティングバレーボールの方が一回り小さいですね。

また、シッティングバレーは座ったままで行えるよう、ネットの高さも低く設定されています。
シッティングバレー用のセットは、専用の支柱やネットで対応できます。

シッティングバレーアンテナ

バレーアンテナは、ボールがインかアウトか見極めるのに大切ですね。

視覚障害者用バレーボール支柱

通常のバレーボール支柱と違うのは

・支柱のサイズ、仕様
・使うネット
・ネットの貼り方

などですね。

視覚障害者用のバレーネットは上下にワイヤーが入っています(通常は上だけです)。
支柱もバレーネットの上下ワイヤーを引き受けるために独特な形をしています。

支柱の高さは低くなっています。

視覚障害者用バレーボール

ボールは公認のバレーボール球を使用します。

視覚障害者用のものもあります。

視覚障害者用ボールにはボールには鈴が入っていて、視覚障害があっても位置がわかりやすいようになっています。

障害者水泳(水泳)

障害の程度によっては泳げる人もいます。
また、水には浮力があるので「プールの方が動きやすい」と感じるかもしれません。

以下で、障害があっても水泳が楽しめる補助具を紹介します。

水泳のサポートや、万が一の時のために介護者がいるとさらに安心できますね。
障害がある利用者の「泳ぎたい」を実現できるように支援していきましょう。

視覚障害者水泳用タッチ棒

視覚障害者水泳用タッチ棒です。視覚障害を持つスイマーにプール壁の合図を送るための用具です。
補助者がタッチ帽でスイマーの身体の一部に触れることにより、プール壁を知らせます。

プールフロアV型スロープタイプ

プールフロアはプールに入れて、水深を浅くする道具ですね。

下の商品はセノ―社のプールフロアV型スロープタイプです。

通常のプールフロアはプール底に沈めて底上げに使用します。
そのため傾斜はなくフラットです。

障害者向けのプールフロアが傾斜がついてスロープになっているのは、水に入りやすくするための補助具だからです。

体が動きにくい人が、いきなりドボンとプールに落ちたら怪我をします。
スロープがあることで、ゆっくり水に入れます。

水泳用スベリマット

水泳用スベリマット。自力でのプールに入ることが難しい方のための補助具です。
スベリマットの上に要介護者をのせ、マットごとプールにすべらせるようにして水に入る負担を軽減します。

プール用車椅子(プールサイド用)

プール用車いす(プールサイド用)。
ステンレス製で錆びにくく、生地にメッシュシートを使用しています。

車いすテニス(テニス)

日本車いすテニス協会による説明を引用します。

車いすテニスは「ツーバウンドまでに返球」が認められている以外は、一般のテニスとほぼ同じルールで行われます。

視覚障害者用テニス支柱

視覚障害者用テニス支柱です。高さは一般のテニスより低く、890mmとなっています。

テニス用車椅子

車いすテニス用の車イスには早く回転できることが求められます。
そのため、専用のものを使います。

車いすをうまく操作する技術力も必要です。

詳しくは、日本パラリンピック委員会のWEBサイトを見てください。

障害者卓球(卓球)

車いす用卓球台

車いす用卓球台です。

セパレート式で、それぞれが卓球をしやすい高さに調整できるようになっています。

また、車いすが入り込みやすいように通常の卓球台にはある四隅の脚が無くなっています。

視覚障害者用卓球台(サウンドテーブルテニス)

サウンドテーブルテニスは、台の上でボールを転がしあう卓球です。
一般的な卓球とは違い、ボールをバウンドさせて打ち合うことはしません。

ボールを転がすので、卓球台も専用のものを使います。

下の写真を見てください。
卓球台が一枚の板でできていて、つぎ目がないですよね。

一般用卓球台のように、折りたためるタイプだと折り目で引っかかってボールが転がらないからです。

視覚障害者用卓球ラケット、ボール

視覚障害者用の卓球ラケット、ボールです。
ラケットはラバー(赤や黒のゴム)がありません。

そのため、打った時の音がよく響きます。

ボールは鈴入りで位置が分かりやすくなっています。

卓球バレー

「障害者向けの卓球」からスタートした卓球バレーですが、老若男女が一度に楽しめることからユニバーサルスポーツとしても広がりを見せている競技です。

ボールをころがすという点で視覚障害者の卓球と似ています。しかし、卓球バレーは大勢で行う点で大きく異なります。

卓球バレー

「障害者向けの卓球」からスタートした卓球バレーですが、老若男女が一度に楽しめることからユニバーサルスポーツとしても広がりを見せている競技です。

ボールをころがすという点で視覚障害者の卓球と似ています。しかし、卓球バレーは大勢で行う点で大きく異なります。

また、

椅子に座ったまま競技する(立ち上がると反則)
ラケットは木の板状
3回タッチ以内に相手フィールドに打ち返す

などの独自ルールがあります。

卓球バレーで使われる道具は「卓球バレー用セット【ラケット・ボール・ルールブック・ネットサポート】取り扱い始めました」をご覧ください。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://seft.jp/goods-tabletennis-volley-set/]

取り扱いは下記で行っています▼

卓球バレー|SPORTS PRO STORE

ゴールボール

ゴールボールは、視覚障害者向けに考案されたオリジナルの競技です。

ゴールボール競技は、第二次世界大戦で視覚に傷害を受けた傷痍軍人のリハビリテーションの効果を促進するために考案されたリハビリテーションプログラムの一つでしたが、1946年にオーストリアのハインツ・ローレンツェン、ドイツのセット・ラインドルの両氏によって競技として紹介されたのが始まりとされています。

日本ゴールボール協会のWEBサイトより

ゴールボールは視覚障害者用スポーツで、3対3で行います。
アイシェード(目隠し)を着用して鈴入りボールを転がすように投げ合うものです。

ゴールボールのボール

ぱっとみると、普通のボールに見えますね。

実は、ボールの中には、鈴が入っています。

重さは1.25kgです。
思ったより重いですね

ゴールボールのゴール

ざっくりしたルールは画像のとおりです。

コートが映っている写真がありますね。
少し見にくいですが、白いゴールがそうです。

 

使わないときは、こんな感じで収納できます。

モルテン(molten) すず入りボール G2C2000-SK
モルテン(molten)

ボッチャ

ゴールボールと同じく、ボッチャも障害者スポーツ専用の競技です。

ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目です。

一般社団法人日本ボッチャ協会WEBサイトより

リオパラリンピックでその名がよく知られるようになった競技です。

専用のボールを投げて(転がして)的の中心に近づけるゲームです。
得点の決まり方がカーリングに似ています。

ボッチャボールと的、必要であればボッチャ用ランプスを使って行います。

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おわりに

バスケット・バレー・水泳・テニス・卓球・ゴールボール・ボッチャを紹介しましたが、障害者スポーツの種類は非常に多いので、ごく一部しか紹介しきれないのが残念です。もっと多くの障害者スポーツの種類を知りたい方はWikipediaの障害者スポーツのページなども見てみてください。

ちなみに、このページのアイキャッチ写真の車いす競技は、「車いすラグビー」です。ここでは紹介できませんでしたが写真を見ているだけでも楽しさ、カッコよさが伝わってきます。

(この写真はGAHAG | 著作権フリー写真・イラスト素材集の著作権フリーのものを使わせていただいています)

障害者スポーツにも体育館やグラウンドで比較的カンタンに始められるものが数多くあります。パラリンピックで認知度も上がっている今、できそうなものがありましたら、ぜひ取り組んでみてください。

このページでご紹介した用具は、ほとんど当社で扱っています。
用具のご注文はお気軽にご相談ください。

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