この記事では、体育館にある大型の運動器具「肋木(ろくぼく)」について、

  • 肋木とはなにか?
  • 肋木の種類などんなものがあるの?
  • 肋木の取り付け・固定方法は?
  • 似た目的で使えるものはある?
  • 肋木を買うにはどうすれば?

などを体育器具専門店の東洋体機が詳しく紹介していきます。「肋木を買いたい」との問い合わせは多いのですが、必ずしも肋木でなくてもいいケースも多々あります

よく買われている商品を記事の最後で紹介していますので、あわせて参考にしていただければと思います。

肋木(ろくぼく)とは、使われる種類・入手方法

肋木とは?その活用法と使い方

肋木は海外発祥の体操用器具です。スウェーデン体操のための器具として導入された経緯があります。梯子を大きく・頑丈にしたような器具で、学校の体育館に設置されていることが多いです。

肋木の使い方 – 体操運動

もっとも基本となるのが体操運動です。横の棒(手で握るので「にぎり棒」)に手足を引っかけて登ったり、ただ単にぶら下がったりします。

  • バランス感覚を鍛える
  • リハビリ
  • 姿勢の矯正

など、様々な使い道があります。

肋木の使い方 – トレーニング

肋木はトレーニングにも使えます。

  • 懸垂
  • 腹筋
  • その他

のような、さまざまな利用方法があり、異なる部位が鍛えられます。

下記は肋木を使ったトレーニング動画を公開している方の動画。フィットネスジムにある器具はほとんど単一種類のトレーニング用ですが、肋木は多くの種類のトレーニングを1基でこなせます。

肋木の種類

肋木はいろいろなパーツから構成されています。動く部位もあります。

懸垂部分の構造

肋木は上部が少し飛び出ており、懸垂がしやすくなっています。その「飛び出ている部分」が変更できるタイプの肋木もあります。棹(さお)の上下調節ができるという表現をされていることが多いです。

通常の肋木 – 棹部分を動かせない

棹は固定されていて動かないのがベーシックな肋木です。頑丈ですが、利用者の体格や運動の種類によっては使いづらいこともあります。

棹上下調節付き肋木 – 棹部分を動かせる

棹部分が動かせる肋木であれば、支え(写真の白いパイプ)の調整具合で棹が飛び出る距離を変えられます。それによって肋木の使い方が広がります。

肋木自体が動かせるか – 固定式or回転式

肋木を壁際に固定してしまうか、肋木自体を開いて動かせるかです。

「固定式」は肋木の片方だけが壁に固定されているタイプ。ドアを開くように円弧を書きながら引き出すことができます。

「回転式」は完全には固定されておらず、キャスターで半円を描くように引き出せます。引き出したらワイヤーで固定するので、床にはワイヤーの固定金具を取り付ける必要があります。

その他の肋木

移動式

設置工事不要、置くだけという簡易な肋木もあります。「家で使いたい」「自宅を建築中なので肋木を付けようと思ってる」というお問い合わせよくあります。

このページで紹介してきた体育館向け肋木は壁面の面積や高さがある程度必要です。もし設置するのが難しければ、移動式の肋木がオススメです。

固定が不要な移動式肋木の例として、下記のものは高さが1.4m×奥行き1m、1~3欄まで対応できる機種となっています。

1欄当たりの幅は約60cm。家庭のドア幅と概ね同じで、これですと十分家に置けます。トレーニングに30代の方が買われることもあれば、リハビリ用として60-70代の方から問い合わせもあります。

高さ1.4m×幅60cm/欄×奥行き1.0m パイプ径25.4mm
参考価格 1欄:¥75000 2欄:¥115000 3欄:¥165000
※税、送料別途

クライミングウォール

近年広まってきたクライミングウォール(ボルダリング用器具)と合わさったような肋木もあります。クライミング愛好家が自分の子供に買ってあげたりするようです。

肋木の値段は?

肋木価格を決める要素

肋木の値段は、肋木自体の種類と「欄数」によって大きく異なってきます。

縦の支柱~支柱までの間を1欄(らん)と呼びます。肋木によって1欄単位で買えるものもあれば、「4欄のみ」といったものも。

値段は機種によりけりですが、1欄あたり10~15万円ほどとお考えください。増欄は片側の支柱が不要なため定価8~12万円ほどと安めになっています。

ちなみに、鉄棒でも肋木と同じく「欄」という単位を使います。

 

鉄棒の種類・選び方・設置工事まとめ【学校・スポーツ施設向け】

肋木本体以外に必要な費用

肋木は大型の製品です。どこに届けるかによって送料が変わってくるため、詳しくは販売店にお問い合わせください。

工事費も本体価格には含まれていないため別途見積が必要ですが、通常は1日で終わる作業量なのでさほど高額にはならないようです。事故を防ぐためも経験のあるしっかりした工事業者で設置してください。

肋木の設置条件

肋木は、体育館など運動施設を前提とした製品です。個人宅にも設置できますが、ある程度厳しい設置条件を満たす必要があります。

床、壁、天井といった「肋木を支える部位」について耐久性が求められるためです。

肋木取り付けに必要となる床の仕様と耐久性

肋木は床暖房がある部屋には取り付けられません。床にビス留めし固定するためです。合わせて、床自体の耐久性も必要になってきます。さらに回転式肋木ですと、固定用ワイヤーを止めるフックも要設置。そのため基礎工事を伴います。

このように個人宅に設置するには回転式肋木は難しいのが現状です。。

肋木取り付けに必要となる壁の仕様と耐久性

床だけでなく、壁面にもビス打ちで固定します。壁面の下地はコンクリートもしくはC形鋼である必要があり、住居用で一般的な石膏ボードや木では肋木を取り付けられる耐久性はありません。

肋木取り付けに支障のない天井の高さ

肋木の高さは2m60cm前後。とり付ける天井の高さは少なくとも2m80cmは必要となってきます。

住居の天井は2m40cmであることが多いので肋木の高さを低くするなどの調整が必要になることも多々あります。。

肋木を製造しているメーカー

肋木は、セノー株式会社 吉田体機工業 津村製作所といったメーカーが製造しています。これら運動器具メーカーはほとんどの場合ユーザー直販はしていません。お探しの場合は当社までご連絡ください。

肋木のトレンド・傾向

肋木は戦前からある、歴史の長い体操器具です。形状はほとんど変わっておらず、固定式と回転式があるのも昔からです。

壁に固定するのが固定式、片方を固定しドアのように引き出して使うキャスター付きのものが回転式です。

下記はセノー社のカタログ、23年前の1995年と今年2018年のものです。固定・回転とタイプは違いますが、昔とほとんど変わりません。

肋木の管理とメンテナンス

体育館の隅であまり使われずに置いてあることが多い肋木ですが、メンテナンスは必要です。体育器具のメンテナンス参考書「事故防止のためのスポーツ器具の正しい使い方と安全運転の手引き」によると、各部品のメンテナンス間隔は

  • 握りパイプ・・・1年ごと
  • 笠木(最上部の横棒)・・・1年ごと

で、標準耐用年数は10年とされています。

「事故防止のためのスポーツ器具の正しい使い方と安全点検の手引き」書籍紹介

肋木を入手・設置するには

肋木の販売店

肋木を実際に見てみたい、というご要望は時折ありますが、店頭で見かけることはまずありません。受注生産という注文後製造方式をとりますので、納期は1~3か月ほどかかるかと思います。

通販で肋木を探す

ネット通販でも肋木もしくは肋木風の運動器具はいくつか見つかります。

固定式であれば、壁や床の強度はある程度求められますので、販売元にご確認ください。

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Last Update: 2021-05-31  

2021-05-25  製品ジャンル  
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