バレーボールやテニスでは、コートにネットを張りますね。
ネットを強く引っぱって張っても、ボールが勢いよくぶつかっても
ネットが緩みません。
それは、下の写真のように、ネットの上に丈夫なワイヤーが通っているからです。
そのワイヤーをネットコードと言います。
ここでは、そのネットコードの種類とどんなものを選べばいいかについて
参考となる情報を掲載しています。
このコードは消耗品で、定期的な取り換えが必要です。
いくつかの種類がありますのでそれぞれの特徴と合わせて説明いたします。
ネットコードには、素材が金属製のものと線維製のものがあります。
ネットコードは丈夫ですが、消耗品です。
使ううちにボロボロになってきます。
ボロボロになると利用者のケガにつながりますので、定期的に交換する必要があります。
使い方にもよりますが長くても2~4年程度だとお考えください。
金属タイプと繊維タイプの大まかな違い
丈夫だが扱いに難がある金属タイプ
金属タイプには、スチール(鉄)製のものと
ステンレスでできているものがあります。
どちらも耐久性にすぐれたコードで、伸びが少ないので内蔵式支柱にも向いています。
(内蔵式支柱とは、ネット締器が柱の中におさまっている支柱です)
また、金属タイプは「こすれ」に強いです。
ネットにボールが当たると、ネットがゆれてコードがこすれます。
何回もこすれていくと、コードが切れます。
金属コードはこすれても切れにくいので、
繊維タイプよりも強度がありますね。
鉄(スチール)製コード
鉄製は、安価で丈夫な反面、次のようなデメリットがあります。
- 硬くて扱いにくい
- 長く使うとささくれて危険
- さびる
- 巻きぐせもつく
鉄製のコードを買う場合は、その分ネットをいい物にして、来季以降に安全なコードに取り替えをする場合もあります。
下の画像のように、ビニールで覆われたスチールコードは少しささくれに強いです
ステンレス製コード
一方、ステンレス製は丈夫でさびないので、屋外使用に向いています。
また、「硬い」「ささくれ」「巻きぐせ」のデメリットは
ステンレスにもあります。
ステンレスの方が高いですね。
「さびない」メリットを得るために「コスト」がアップしたスチールコードのようなものとも言えます。
扱いやすいがコスト高な繊維タイプ
繊維タイプは、金属タイプより高く、耐久性が劣るものの、
このようなメリットがあります。
- 柔らかくて扱いやすい
- さされくないので安全
- さびない
この場合の「耐久性」とは、引っぱる力に対してのものではなく
主に「こすれ」に強いか弱いかということです。
金属タイプも繊維タイプもどちらも1t以上の引っぱる力に耐えられます。
ネット締器で人が巻く力は大きくても200kgぐらいです。
ですので引っぱる力には強いです。
しかし、こすれは金属タイプの方が強いです。
ネット締器にはコードがこすれる部分はいくつもあります。
コードがこすれて傷がつくと、引っぱる力も弱くなります。
そして、傷がコードが切れる原因になります。
切れると、近くにいる利用者が大ケガをすることもあります。
例えば、この事例だと、コードが切れた反動で転倒しています。
他にも、切れたネットが目や頭に当たる事故が報告されています。
※2年以上経過した繊維タイプコードは劣化具合に関係なく交換するようメーカーは推奨しています。
一長一短ですが、かなり昔から安全な繊維タイプの使用が増えてきています。
最初に買った時に付いていたスチールワイヤーをコードも、
交換時には繊維タイプされることがほとんどです。
下の画像はダイニーマコードです。
ダイニーマコードはダイニーマという芯材をポリエステル組紐でカバーしたロープです。
※2017/2/21追記 2017年度よりダイニーマは「イザナス」という名称に変更されました
これはテクノーラコードです。
テクノーラコードは中にテクノーラ(アラミド繊維)の芯が入っています。
その表面を組ひもでカバーしたロープです。
これは、アシックスのセフティコード(ベクトラン)です。
アシックスのセフティコードは有名です。
以上を踏まえて、各ネットコードのコスト・耐久性・安全性を比較
コスト比較
安い スチール>セフティコード>ステンレス>イザナス(旧名称ダイニーマ)>テクノーラ 高い
耐久性比較
高い スチール>ステンレス>テクノーラ>セフティコード>イザナス(旧名称ダイニーマ) 低い
安全性比較
高い テクノーラ=イザナス(旧名称ダイニーマ)=セフティコード>ステンレス>スチール 低い
どのコードを選べばよいかの選択基準
支柱のタイプが内蔵式ならスチールコード
まず、最初のチェックポイントは支柱がどんなタイプかす。
ネットコードが支柱の中に入れるタイプは「内蔵式」です。
ネットコードが支柱に内蔵されていると、安全性が高い、見た目が美しいなどのメリットがあります。
しかし、それに対応した専用のネットコードが必要になるというデメリットがあります。
なお、内蔵式支柱が使われている数は非常に少ないです。
内蔵式支柱用のネット(両側が輪になっている。通常は片側のみ輪)の中から選択します。
コードが支柱内に入るため、繊維コードであるメリットもあまりありません。
そのため使わるのはスチールコードであることが多いようです。
コスト重視ならスチール・ステンレスコード
お使いの支柱が内蔵式タイプではない場合、
コスト最重要視ならもっとも安いスチールコード
もしくは屋外使用でさびたくないならステンレスコードがおすすめです。
安全性重視ならテクノーラ・イザナス(ダイニーマ)・セフティコード
お使いの支柱が内蔵式タイプではなく
安全性重視なら、テクノーラ・イザナス(旧名称ダイニーマ)・セフティコードの中から選ぶのがいいと思います。
これらは繊維タイプなので利用者に安全な製品です。
まとめ
- テニスやバレーボールのネットにはネットコードと呼ばれるワイヤーが通っている
- ネットコードは消耗品で定期的に交換する必要がある
- コスト重視なら金属製、安全性重視なら線維性コードがおすすめ
※2017/2/21追記 2017年度よりダイニーマはイザナスに名称変更されました
当社がお手伝いできることがありましたら、お気軽にご相談ください。
Last Update: 2021-05-26