総合遊具とは、学校に置かれているさまざまな遊び方ができる大型遊具のことです。
子供の発育に効果的な遊具ですが、多少の怪我をしてしまうこともあります。また、遊具自体の安全管理の問題で「ハザード」がある状態だと、正しく使って遊んでいてもケガをすることになってしまいます。 このページでは、経年劣化によるハザードと構造的な問題に分けて、危険個所と対処法を一覧にしました。
遊具の経年劣化によるハザード
幅広すべり台
総合遊具の滑り台部分です。奥にある赤いものは「棒滑り」、手前の幅の広い滑り台は「幅広すべり台」と言われています。
すべり台板の劣化(ひび割れ・すり減り)
ステンレス板が劣化し、ひび割れたりすり減って薄くなったりします。するとこのような状態になります。小さな異常なので見落としがちですが、半そで短パンで遊ぶ子供には怪我に直結する危険個所となります。
いくつか、実際の例を紹介します。
▼水滴は雨の後だからです。
▼横から見たところ
▼横に広くひび割れています
すべり台の板と側面が外れている
すべり台のステンレス板と横側の手すりは溶接していますが、長い年月を経るうちに劣化しています。
▼劣化部分をテープで応急処置中
▼テープをはずすと、このようになっています。指が引っかかるほどの大きく割れています。
すべり台を引っかける部分が曲がっている
幅広すべり台の上部は、鉄板にあけた穴にひっかけています。強い力がかかるうちにパイプが曲がり、すべり台の側板との間に隙間ができています。
すべり台の劣化に対する対処方法
該当部分のみの取り換え(鉄製の個所なら)、ステンレス板の取り換え、すべり台自体の取り換えなど、劣化している箇所によってとれる対処が決まります。
チェーンが外れている
総合遊具にはチェーンで固定された四角や丸のパーツがあります。足をひっかけて登りやすい位置にあるので、子供が飛び乗って上に行きます。非常に強い力がかかるのでここも劣化しやすい部分です。
チェーンの劣化は下部が多い
上記の写真では四角いパーツを4方向からチェーンで固定していますが、そのうち最も傷む可能性が高いのは下部です。ガンガンゆらされるためです。
チェーンの根元には相当な力がかかる
チェーンの外れに対する対処方法
該当チェーンの取り換えです。チェーンを切断し、新しいものを溶接します。比較的軽微な修繕の部類に入ります。
総合遊具の土台の腐食
総合遊具の土台
▼鉄の土台のペンキがはがれ錆止めもなくなり、腐食しています。
▼拡大図。もうボロボロになっています。簡単に指が切れてしまうだけでなく、総合遊具全体の強度にも悪影響です。
▼上だけでなく角の横側も腐食は起こります。
すべり台の土台
棒滑り、幅広すべり台どちらも設置個所は土台とつながっています。そこも腐食することが多くあります。
土台の腐食に対する対処法
該当部分の土台を切断し、新たなものを溶接できることが多いです。
構造的な問題
総合遊具に構造的に潜む怪我のモトです
すべり台の裏側など
頭をぶつける
▼アングルがむき出し。角はとってあり触っただけで怪我をしないようにはなっているものの、子供からすると死角で当たると目から火花が飛ぶぐらい痛い。
すべり台の裏側への対処法
防護マットで保護する。雨がかかりづらい場所なら、強力な両面テープで十分実用になります。
遊具から下へ落ちる
遊具から落ちる事故は、最もよく発生するものの一つです。
総合遊具やすべり台の横から落ちる
子供はこの辺りに良く落ちます。
落ちた時に遊具の周りある固いものにぶつかる
滑り台の近くにコンクリ製の設備があるケースも多々あります。この写真のマンホールはすべり台の低位置近くなのでさほど危険はないものの、すべってコケる原因になることはあります。
隙間から落ちて土台にぶつかる
足を滑らせて上から落ちてきます。その下には鉄の土台があり、頭をぶつけると危険です。土台が腐食していると危険度はさらに上がります。
遊具からの落下への対処法
▼危ない部分をパットで保護した例。
総合遊具はグラウンドの端に置かれるので近くに砂場があることも多いです。動かせない障害物の場合はパットで保護するなどの方法が取れます。もしくは、樹脂製の砂場枠に交換してしまうという選択肢もあります。
▼落ちそうな箇所にマットを敷く
十分な耐候性とクッション性を持ったマットで土台自体を覆うと安全性が高まります。
使用したマットはバイオクッションというクッションマットです。
下記にて詳しい情報を掲載しています。
Last Update: 2021-05-27