テニスもバレーボールも、支柱を立てて間にネットを張り、行う競技です。
テニスは主に屋外で、バレーボールは主に屋内の体育館でプレイされます。
詳しい方はご存知ですが、どちらの支柱も直径は同じでφ76.3mm。
と、いうことはテニスの代わりにバレー支柱を使えば、
屋外テニスコートでもバレーボールが出来る!
と思われるかもしれません。
ですが、結論から言いますと条件が整えば出来なくはないという程度です。
そしてその条件はかなり厳しく、たまたまクリア出来ていたということはまずありません。
もともと屋外バレー用として作られている設備であれば問題はありませんが、
テニス支柱穴にバレー支柱を挿して使おうとされるのであれば、
そのまえにこのページを一度ご覧ください。
※アイキャッチ画像は 内田洋行の保健ビデオ「中学校の健康シリーズ」第5巻「生活のリズム」 http://sei2010.blog.so-net.ne.jp/_pages/user/iphone/article?name=2011-05-03 より
用具を準備するときの注意
通常のバレーボール支柱とネットをそのまま利用しようとしても、
問題なく使えることはまずありません。
両者には支柱の仕様の違い、コートサイズの違いがあるためです。
そのためほとんどの場合は、屋外使用向けにバレーボール支柱を新調することになると思います。
その際には、このようなことに気をつけてください。
注意点1 バレーボール支柱・・・ツバ(わっか)を付ける
テニス用の支柱も、バレー用の支柱も直径は同じです。
そのため支柱を入れる穴のサイズも同じです。
ただし、止め方は違います。
テニス支柱
ツバ(わっか)が支柱に付いていて、支柱を穴に入れるとこの部分で止まります。
支柱の下は空間があきます。
バレー支柱
ツバはありません。支柱は埋め筒にすっぽりと収まり、
支柱の下に空間はあきません。
(そのため、バレー支柱を買うときは穴の深さに応じて床下長さの指定が必要です)
このような理由から、テニス支柱用の穴にバレー支柱を入れるには
支柱が埋め筒内に落ちすぎないように、固定のためのツバを付ける必要があります。
屋外用バレー支柱ならすでにツバ付きになっているので問題はありません。
もしくは、気に入ったバレー支柱の特注品としてツバを付けることもできます。
その際の費用もそれほどは高くなく
支柱の種類にもよりけりですが数百円~2000円ぐらいの追加で済むことが多いです。
注意点2 バレーネット・・・コードとネット紐を長めにする
バレーとテニスはコートのサイズが違います。
そして支柱~支柱の距離も違います。
大まかにいえば、テニスのほうが支柱の間幅が広く、13m弱です。
バレーは12m前後なので1mほどの差があります。
バレーネットには9人制と6人制向けのものがあり、9人制のほうが幅広く(長く)なっています。
9人制バレー用のネットなら、テニスコートの幅でもそのまま使えることが多いです。
ただ、6人制バレーの用具ではほぼ無理です。
9人制のバレーネットを使うか、予算の関係なので6人制用具にするなら
コードとネットヒモだけ特注or買い替えする必要があります。
ただしネットの種類によっては対応できないこともあります。小売店やメーカーにご相談ください。
用具選びのアドバイス
バレー支柱の素材は何がいいのか?
バレーボールに使われる支柱は主に3種類あります。
- 丈夫で安いが重量があるスチール
- 軽いが柔らかくたわみやすいアルミ
- 丈夫で軽いが値段が高いカーボン
テニスコートにバレー支柱という組み合わせで使うなら、
支柱同士の間隔が広くなる分、強めにネットを張らないといけません。
そうしないとネットの中央あたりが重力で下がりすぎることになります。
しかしアルミ支柱は柔らかいのでネットを強く張るとたわみやすく
その点でからアルミ支柱を選ぶのはリスクがあります。
とはいえカーボン製は高額なので、屋外使用(よごれ・痛みやすい)にはもったいないのが心情で
サビやすさや持ち運びの不便さには目をつぶって、安価なスチール製の支柱を使い倒そう
という結論になりがちです。
コートのラインはどうやって描けばいいのか?
体育館であれば粘着性のあるラインテープを貼るのが普通です。
屋外コートの場合はテープが貼れないので、屋外用のラインテープを釘で打つなどします。
ライン幅は、トラック用の1.5cmではなくテニス用の5cmのものがいいでしょう。
もしくはグラウンド用の白線を使っても構いません。ラインカーで描く、普通の白線です。
このあたりはバレーをする目的やコートの状態によって使い分けてください。
バレーネットのランクはどの程度がいいか?
バレーネットもピンキリで、2万円台~6万円ぐらいと価格の幅が3倍ほどあります。
もともとテニス用だった場所でバレーをするというのがイレギュラーな使い方なので、
そもそも本格的な競技をするのは無理があります。
レクリエーションや練習といった使い方が主になるでしょう。
であれば、あまり良いものを使われるのはもったいなく、練習用ネットで十分かと思います。
ワイヤーだけはスチールでは錆びやすいので
ダイニーマやテクノーラ、ベクトランなどを選びましょう。
運用の注意
支柱は出しっぱなしではなく毎日片付ける(重要)
テニス支柱は出しっぱなしにされることも多いですが、
バレーボールは屋内競技なので、支柱に雨がかかることは想定外です。
バレー支柱の上部には高さ調節をするための機構があって、そこには隙間があります。
雨が降ると支柱内部に水が入ってしまうため、支柱の劣化や錆につながってしまいます。
屋外用のバレー支柱であればある程度の対処がされていることもあります。
錆止めを塗り、塗装をして錆びにくくしてある、などです。
ただ、多少の耐性があってもやはり雨ざらしが良くないことには変わりありません。
メーカーも毎日片付けることを推奨しています。
まとめ
- 屋外でバレーボールをするなら専用設備か確認
- テニス設備を流用するならバレー支柱とバレーネットをチェック
- 使った後は倉庫にしまう
屋外用のバレー支柱は当社でも扱っているものがあるので、
ご相談等お気軽にどうぞ。
その際は
- テニス支柱の断面の形(断面が○ならOK。□だとNGです。)
- テニス支柱間の距離
- テニス支柱を抜いた時のツバ下長さ
- グラウンドの材質
を合わせてご連絡いただくとスムーズです。
Last Update: 2021-05-27