温度を測る製品はさまざまなものがあります。
この記事では、プールの水温測定によく使われる製品を
- 種類
- 特徴
- おススメ製品
といった観点から紹介します
まず、プールの適温はそのプールの用途によって違うということを知っておいてください。
遊泳用プールの適温
文部科学省からの通達が最低ラインになります。
「プール水の温度は、原則として22℃以上とすること。また、プール水の温度が均一になるよう配慮すること。」
この目安を踏まえて、次のような温度にされることが多いようです。
目安となるプールの水温
水温 | 使用場所 | 備考 |
25°C以下 | さほど使われない | 長時間の遊泳では冷たく感じる |
25~28°C | 全力を出す競泳 | |
26~31°C | 屋外プール | 気温より高めが理想的 |
29~31°C | 屋内プール | |
30°C前後 | 水泳初心者・幼児・高齢者 | |
水質の管理面から言うと、菌の繁殖や塩素剤の投入を鑑み、30℃を大幅に超えることのないように注意してください。
水温測定用の温度計
水温の測定にはいろいろな測定器がありますので、ジャンルごとにその特長を記載します。
1. ガラス棒状温度計
ガラスの温度計は測定範囲の種類がいろいろとありますが、
プールの水温では0~50℃で、30㎝のものを用います。
ガラスですので破損しないようにプラスチック保護ケースにいれ、ヒモで下げて使用します。
ただし、引き上げてからすぐに読み取らないと気温の影響を受けてしまいます。
もっとも安価といえます。
メリット:安価 デメリット:破損の恐れあり。引き上げ後すぐに読取の必要があり
2. 銅枠付き水温計(写真左)・ペッテンコーヘル水温計(写真右)
ガラスの温度計を使用し、感温部(下の太い部分)が水槽につかるようになっています。
そのため、水から引き上げると底に水がたまった状態になり、すぐには気温の影響を受けないようになっています。
いずれもヒモで下げて使用します。
ペッテンコーヘル水温計の方が、最少目盛が細かくなります。
メリット:取り扱いが簡単 デメリット:破損の恐れがある
↓エバニューの製品で、割れにくいようカバーが付いています。小学校のプールなどで特におススメ
3. デジタル温度計
デジタル温度計は様々な商品がありますが、手元で測定値が見られるもので防水タイプがおすすめです。
厨房など向きに製作されているものが多いのですが、水温測定に流用できます。
写真左はセンサの感温部を水につけます。
全体の水没はできませんので表層の温度測定となります。
写真右は投げ込み式センサでコード10mが付きますので、
飛び込み用のプールの水温測定もすべての深度で計測が可能です。
メリット:反応が早い 数値のHOLDなどが可能 デメリット:比較的高価
4. 温度データロガー
常時プールに浮かべておき、水温データを蓄積します。
Bluetooth機能が付いたスマートフォンなどの携帯端末を使って無線でデータ通信し、
記録データを回収します。(通信距離は、見通しの良い直線で約30mです。)
複数台の接続設定が可能ですので、2台で気温と水温のデータ管理も可能です。
浮かべて使用しますので、プールの表面水温測定となります。
*プールエリアにスマートフォンの持ち込みを制限されている場合はご注意ください。
メリット:温度変化のグラフ化等が可能
デメリット:比較的高価、スマートフォンなどが必要・慣れが必要・水没させ壊す恐れがある
学校プールにおススメはこれ
学校プールの測定でしたら、次のような特徴を持つエバニュー社製水温計がおススメです。
- 水に沈められ、水中の温度が測りやすい
- 水ごと引き上げられ、読み取る際に温度変化が少ない
- 水温計のカバーが付いていて割れ予防になる ※割れないわけではありません