注意喚起のため、バレーやテニス支柱に付いている「ネット締器」による事故事例を改めて紹介します。
このネット締器が原因で、生徒がケガをする事故が発生しています。平成24年1月5日福岡県の高等学校の体育館です。
本件につきましては、大けがの恐れが高いため、定期的にバレーボールメーカーやスポーツ店から注意をするよう呼びかけられています。バレーボール関係者の方は、必ずご確認ください。
ネット締器の固定が事故原因
テニスやバレーボールの支柱は、ネットを張って使います。そのネットには上部にワイヤーが通してあり、ワイヤーの両端は支柱に固定されます。
その際にネットを固定するネット締器というパーツによって事故は起こります。
どのようにしてネット締器のずりあがり事故が起こるのか
ネット締器がバレー支柱にしっかりと締め付けて固定されていれば大きな問題はありません。
しかし、固定がゆるい・もしくは徐々にゆるくなっていることに気づかないでいるとネットが引っ張る力で、ネット締め器が上にずりあがることがあります。
勢い良くずり上がるために、指を挟んだり、ネット締器自体がぶつかってケガの原因になったりします。
実際に、このような事例も報告されています。この事例の怪我の箇所は【顎と口】です。
事故を防ぐためのメーカー対応
この事故を受けてメーカーが行った対応は、以下の4つ
- 今後発売するバレー支柱にはずり上がり防止機構をつける
- ネット締器販売時、同じメーカーの製品である確認をする
- ネット締器販売時、バレー支柱のずり上がり防止機構を確認する
- 既存のバレーボール支柱にずり上がり防止機構をつける
そしてスポーツ系の問屋や販売店は、そのことを周知することと合わせて
注文があったときに確認するようになりました。
【1つ目の対応】今後発売するバレー支柱にはずり上がり防止機構を付ける
バレーボール支柱自体に突起を付け、ネット締器が上に移動しないようにしました。
加工自体は小さな突起なので分かりづらいのですが、
「ネット締め器が上にずり上がらないような位置にある突起」がずり上がり防止加工です。
支柱によって形状は異なりますので上記画像などを参考にしてください。
【2つ目の対応】ネット締器販売時、同じメーカーの製品である確認をする
各メーカーはそれぞれにずり上がり防止対応をしました。
しかし、バレー支柱やネット締器の仕様はそれぞれに異なります。
さらなる安全性を確保するために、
「バレー支柱とネット締器は同じメーカーの物を使う」
ことを大前提とすることになりました。
※2016現在、「支柱とネット締め器が同一メーカー」という縛りがないメーカーもあります
【3つ目の対応】ネット締器販売時、バレー支柱のずり上がり防止機構を確認する
ネット締器を単体で販売する場合は、書面での確認が必要です。
取り付けるバレー支柱にずり上がり防止機構がきちんと付けられているかを
確認しないと販売しない方針になりました。
【4つ目の対応】既存のバレーボール支柱にずり上がり防止機構を付ける
現在販売されているバレー/テニス支柱はほぼすべて
ずり上がり防止加工がされているはずです
しかし、対策前に販売されたバレー支柱もまだ現役で使われています。
それらに対して、後からずり上がり防止機構を取り付けるという対応です。
これはメーカーによっては無償でしている場合もありますので、
購入店もしくは製品メーカーまでお問い合わせください。
まとめ
- バレーボール支柱のネット締器はゆるんでいるとずり上がって事故につながる
- 対策はずり上がり防止の突起をつけること
- 新たな製品は対策済みで、旧製品もメーカーが対応している
体育館にあるバレーボール支柱をすべて調べましょう。
もしまだ対策していないものがあれば、購入した販売店か製品メーカーまで
すぐにお問い合わせください。