体育館でスポーツ中の生徒に、フローリングのささくれが刺さるという事故が時折発生しています。
http://www.asahi.com/articles/ASK5Y4HN7K5YUTIL01N.html
体育館でバレーボールなどをプレーし、床に滑り込んだ際にはがれかけた床板が体に刺さって大けがをした事故が、約10年間で7件あったことがわかった。消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は29日、床が水分の吸収と乾燥を繰り返したことで床材がはがれた可能性があるとの調査報告書を公表し、床の水拭きをしないよう呼びかけた。
滑り込むので被害が大きくなり、胃や腸、肺を貫通して長期間の入院になることもあります。
事故を防ぐには、原因となる事柄を取り除くのがもっとも有効です
その原因とは、水拭きです。
フローリングが水分吸収→乾燥を繰り返したことで床材剥がれの一因となった可能性がでてきたそうです。
【重大事故増加】体育館の床面剥離による負傷事故が増加しています
体育館の床面の一部が剥離し、腹部につきささり重症を負った事故が平成18年~27年までの間に7件も発生しています。(消費者安全調査委員会調べ)
【原因】原因はフローリングの過度な水分吸収と乾燥の可能性
維持管理および利用段階で、床板が過度に水分を吸収すること、およびその後の乾燥が、原因のひとつかと見られています。
水分吸収と乾燥を繰り返すことで、事故が起こりやすい床板の状態になった恐れがあります。
【対策】水を使わずに、体育館床の清掃をすること
過度な水分によって大事故の元になる原因が発生するのであれば、清掃の際に水拭きをしないようにすれば事故の原因となる要素を最小限に抑えることができます。
適切な維持管理の取り組み
日常清掃及び特別清掃により、体育館の木製床を清潔に保つ。
その際、水分の影響を最小限にする。
水拭き及びワックス掛けは、床板の不具合発生の観点からは行うべきではないことなどに留意した上、適切な清掃の方法を定め、書面にすることにより、実際に清掃を行う者に分かりやすく周知し、実施を徹底する。なお、やむを得ず体育館にワックスを使用する場合には、それに伴う木製床への水分の影響を最小限とするよう注意する。
消費者安全方第23条第一項の規定に基づく事故等原因調査報告書
体育館の床板の剝離による負傷事故
平成29年5月29日消費者安全調査委員会 より抜粋
水を使わない清掃方法と、そのための清掃用品
体育館の床面メンテナンスには、次のようなものを使うのが一般的です。
モップとラーグ、ついたて、フロアモップ、除塵用オイル、スプレー、ポリッシャーです。
日常のメンテナンス
日常のメンテナンスは、最小限の手間かつ安全性をキープ出来るように行います。
清掃は下記の順番で行います。
- スレンダーラーグで乾拭きし、ホコリを取り除きます。
- ついたてをして作業場所の人よけをします。
- 専用オイルをスプレーに移し、フロアモップに噴霧します。
- 多少の力を加えながらフロアモップで押し拭きします。
日常の除塵作業(ほこりとり)にスレンダーラーグ(高機能モップ)
作業中の安全確保についたて
モップと、モップに噴霧するためのドレッシングオイルや、ベリーザイエロー
洗剤の噴霧に適したスプレー
定期的なメンテナンス
定期的に、よりしっかりとした清掃を行います。このときも水は極力使用しません。
- ドレッシングオイルを、スプレー容器に移します。
- 作業面にのみ、噴霧します。
- ポリシャーで汚れを拭き取るように作業します。
オイル、スプレー容器は定期メンテナンスと同じものを使います。
ポリッシャーのみ手間暇がかかるので定期メンテナンスのときに行います。
ポリッシャー
この体育館清掃用の資料は、床面剥離による事故の発生を受けて、ZETT社が作成したものです。