この記事では体操用のマットについて載せていきます。 特定の商品ではなく、そのジャンルで使われる用具・器具についての普遍的な内容です。授業や大会に備えて準備中の先生・同好会立ち上げスタッフ・何かのきっかけで個人的に興味が沸いた方の参考になれば幸いです。

記事を書いているのは体育用具の専門店である東洋体機株式会社です。

体操マットとは? よく使われる種類と入手方法

体操用のマットについて、体育器具メーカーである三和体育製販中津テントのものをメインに説明していきます。学校現場ではこれらメーカーの製品が使われることが多く(もちろん他のメーカー製品も使われます)あります。

体操マットとは

マット運動、器械体操に必須の体操マットにはいろいろな種類があります。ここでは、体操用マットとして、厚み5~6cm程度のものについて説明しています。

体育館や運動施設にある、複数人で持ち運ぶサイズのものです。ヨガマットやエアロビクスマットといった個人向けの小さなマットではありません。

体操用マットを使う主な目的は、次の2つです。

  • マットの上で運動をする際に床に敷き、痛みを和らげる
  • 着地の衝撃を和らげるクッション材として

マット運動用は、誰もが小学校で行っていた回転運動のときに敷くという用途です。体育の授業ででんぐり返りなどを行います。

クッション材としての利用は、跳箱や逆上がりのときに使われるのをイメージされるとわかりやすいと思います。

跳箱を跳んだあとの着地点・逆立ちをするときの倒れそうな場所に敷きます。

 

体操マットの大きさ・重さ・特徴

体操マットのサイズや特徴を見ていきます。

体操マットのサイズ

厚み

厚みは5㎝もしくは6cmが主流です。

6cmのほうがクッション性は高く、落下のダメージを減らしてくれます。価格も5㎝のものより1割前後あがります。

幅は90㎝。120㎝、150㎝と30㎝刻みであることが多いです。

後述するエステル帆布のマットだともう少し狭い45㎝や60㎝といったものもあります。

長さ

180㎝、240㎝、300㎝、600㎝と60の倍数cmであることが多いです。

体操マットの外装

体操用のマットと聞いてほとんどの人が思い浮かべるのは、綿帆布のマットです。
よく使われるのは9号帆布と6号帆布。6号のほうが目が粗く、厚手でゴツゴツしています。

9号帆布は小~中サイズのマットに使われ、6号帆布は中~大サイズのマットに使われます。

エステル帆布やターポリンはカラーマットに使われる素材です。水を吸収しにくく、つるっとしています。綿帆布と違ってカラーバリエーションが豊かです。

より詳しくは、マットやテントの専業メーカー、中津テント2018カタログでこの表に説明されています。

体操マットの中身の素材

スポンジ

スポンジマットは柔らかくクッション性に優れ、なおかつ適度な弾力性を持つマットです。スポンジマットは主に回転運動に適しています。(三和体育製販2018年カタログより)

ミラスポンジコンビマット

合成スポンジを硬質のミラスポンジでサンドしたマットです。軽量で扱いやすく、発泡倍率が高いのでへたりにくく長期間沈み込みが少ないです。ミラスポンジマットは着地運動に適しています。(三和体育製販2018年カタログより)

コンビマット

合成スポンジを柔らかく耐久性のあるフェルトでサンドしたマットです。コンビマットは回転運動性能と着地運動性の両方の特徴を持った万能型です。(三和体育製販2018年カタログより)

体操マットの裏地

スベリ止め有無のことです。よほどのことが無ければ、すべり止め付きがオススメです。利用中にずれにくく、跳箱の着地に置くなどした場合に特にスベリ止め効果を実感します。

もしスベリ止めが無いものを買ってしまっても、すべり止めマット別売りされているのでご安心ください。床とマットの間に敷いて使います。(多少面倒ではあります)

取っ手

マットを持ち運ぶための持ち手です。これは使用時にはマットの裏側に挟んでおきます。そうしないと足を引っかける恐れがあるからです。

マットによってはマットの側面に張り付くような形の取っ手もあります。

 

体操マットの価格と選びかた

体操マットは非常に多くの種類ありますが、これはサイズが多様なためです。実際はそれほど複雑ではありません。

価格はサイズ(厚み、幅、長さ)と帆布と中身と裏地でだいたい決まるので、よく使われるサイズと価格例を3つほど紹介します。

体操マットの価格

90*180㎝(畳1枚サイズ)
  • 5cmの厚さで税別定価20000~29000円程度
  • 6cmの厚さで税別定価23000~32000円程度

価格差は使用帆布や裏面スベリ止めの有無です。

120*240㎝(畳の約1.8倍の面積)
  • 5cmの厚さで税別定価38000~52000円程度
  • 6cmの厚さで税別定価42000~56000円程度

価格差は使用帆布や裏面スベリ止めの有無です。

150*600(畳の約5.5倍の面積)
  • 6cmの厚さで税別定価140000~170000円程度

価格差は使用帆布や裏面スベリ止めの有無です。
これぐらいのサイズになると6cm厚のみであることが多いです。

体操マットの選びかた

まず予算ありきという場合も多々ありますが、本当は必要なものじゃないならいくら安くても意味がないので必要なものを見積もってから予算計画を立てましょう。

まず、何に使うかによってサイズを決めます。目的によってほぼ決まるはずです。その後に目的に合わせて中身を決めます。スポンジかミラスポンジか、オールマイティにコンビマットか。

それからご予算とお好みに応じて厚みと帆布を選んでください。

スベリ止めはよほどの理由がない限りつけておくべきです。スベリ止めが無くてよかった、といったケースはほとんどありません。

体操マットのメーカー

当社が把握する限り、これらのメーカーで取り扱いされています。

エバニュー トーエイライト テクノ 三和体育製販 ダンノ 中津テント

体操マットトレンド・傾向

16年前のものと比べても、ほんの僅か価格が上がっているだけでさほど違いはありません。内部素材も今と変わらず、合成スポンジ、合成スポンジコンビ、ミラスポンジコンビとあります。(ネーミングとしては若干変えているようです)

体操マットの管理・メンテナンス

体操マットの分かりやすい劣化は破れぐらいですが、それ以外にも注意すべき劣化があります。。体育器具のメンテナンス参考書「事故防止のためのスポーツ器具の正しい使い方と安全運転の手引き」によると、定期点検として3か月、内部構造材は6か月ごとに行い、標準耐用年数は2年とされています。

 

「事故防止のためのスポーツ器具の正しい使い方と安全点検の手引き」書籍紹介

体操マットを買うならどこで?

マット類はほとんどが受注生産です。個人用ヨガマットなどは店売りされていたりメーカーが在庫をもっていたりしますが、バリエーションの多い体操用マットで在庫を持つことは効率が悪く、リスキーです。そのため注文後に製造する受注生産方式が取られます。2~3週間程度の納期を見ておきましょう。年度末などの繁忙期であれば1か月かかることもあります。

体操マットは個人で買われる方も多い商品です。ネットショッピングもしくはお取引のある体育器具店までお問い合わせください。

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Last Update: 2021-05-30  

2021-05-25  競技別ナレッジ  
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