この記事では、熱中症になりにくい運動環境を広めるため、運動施設向けの熱中症対策の器具について取り上げています。

逆に、「熱中症とはなにか?」「熱中症の応急処置は?」といった、熱中症対策の基礎知識には触れていません

ですが、「毎日暑すぎて、うちの店お客さんが減ってきた」といった小売業の責任者や「授業中止にしたいけどその分いつ補填すればいいかわからず板挟み・・」といった悩みがおありの学校の先生にとってはこれらの施設向け熱中症対策は一考の価値ありです。

もしくは、個人の方であっても、「個人個人で対策してるのって無駄が多い気がする」 「クーラーつけてくれ! 予算が無い? でもこのままじゃ倒れるぞ!」と一度でも考えたことがあるなら、記事中の器具が目からうろこになるかもしれません。

特に小さなお子さんがいらっしゃる場合、その子たちの体感温度は大人が感じる以上に過酷なものです。

ぜひこれらの器具を学校の先生やスポーツ施設の管理者に教えてあげてください。

なお、この記事ではこのようなことが書かれています(目次)

 

それでは、順にご覧ください。まずは基本となる「その場所の温度を下げる熱中症対策」からです。

その場の温度を下げる熱中症対策

個人ができる対策は水分を取ったり首筋を冷やしたりと、あくまでも個人的な範囲にとどまります。それに対して施設側ができる対策は、効果範囲の広いものがメインになります。屋内設備でいえば、理想はエアコンの導入です。

ただし広い範囲を冷やすためのエアコンは一般家庭用よりはるかに高額で、その年の予算でポンと買うことができるケースはまれでしょう。さらに現実問題として、安くはない電気代も重い負担になります。ここでは、エアコン以外の熱中症対策の器具を熱中症の恐れが高い場所ごとに見ていくことにします。

屋内の場合【教室・体育館・武道場】

体育館は熱中症の危険性が高い。熱気がこもり、風通しが悪く高温多湿になりがち

熱中症は屋外で直射日光を浴び続けて起こるイメージが強いかもしれません。
しかし、屋内でも起こっています。日光が当たらないから安全とはいえません。
風通しが悪く、湿度も上がりがちな点では屋外より危険だとも言えます。
エアコンが使えればいいのですが、無ければ小さなエリアを個別に冷やす対策になります。

スポットクーラー(冷風機)

スポットクーラー(冷風機)のイメージ

スポットクーラーは特定の場所に向けて冷風を出す器具で、エアコンに比べて効果範囲は広くありません。
また、逆側から温風が出てしまうタイプもあり、排熱方向にも気を配る必要があります。
持ち運びできるからと言ってどこでも設置できるわけではなく、排熱を屋外に出せる場所に置くことが求められます。

業務用大型送風機

大型送風機のイメージ

扇風機のでっかい版だと思ってもらえればほぼ正解です。冷風機ではなく扇風機ならリーズナブルです。
家庭用扇風機よりもはるかに大きいので、強い風を遠くまで届けることができます。
バドミントンやバレーボール中など、風をおこしてはいけない場面でなければ積極的に使いましょう。観客席や休憩場所に向けるという手もあります。

直径は1m前後のものが多いですが、写真右のように人より大きなサイズのものもあります。また、天井に取り付るタイプの巨大なシーリングファンというのも存在します。

屋外の対策【スポーツ施設・屋外イベント・グラウンド】

屋外のグラウンドは直射日光と輻射熱で高温になりがちです。

屋外であっても、特定の場所を快適にするなら屋内同様スポットクーラーや扇風機が使えます。
それに加えて、屋外であれば水を撒くことで、気化熱によって温度を下げる熱中症対策がとれます。
そのための器具をいくつか紹介します。

ミストファン(霧を発生させる)

ミストファンで霧を発生させる

水を霧状にして噴霧するのがミストファンです。利用者はずぶぬれになりません。パイプを通した水を上から吹き付けるタイプは植物園などでよく見かけます。設置工事が必要ですが、比較的広い範囲を涼しくできます。動物園や植物園など、公共スペースで採用されることが多いようです。

スプリンクラー(水を撒く)

 

スプリンクラーで水を撒く

スプリンクラーと聞くとゴルフ場や家庭の庭で使うものをイメージされると思います。
しかし中には手ごろな価格で持ち運びができる便利なものもあります。
たとえばこの写真の製品は、水道圧のみで回転部分が動かせ、何もしなくても電力不要で水が撒けます。また固定もしなくていいので、部活の対外試合などに持って行けます。

 

ここまで体育館などの屋内や、運動場やグラウンドなどの屋外で使える器具を紹介しましたが、
これらの対策をしていても、運動が危険なレベルの暑さになることもあります。

そんなときには、人に代わって危険度をチェックし続け、一定の値を超えると察知してくれる警報システムがあれば、管理者も利用者もより安心できます。

危険を察知してくれる熱中症アラート

温度を下げる対策をとりつつ、それでも温度湿度が高くなってしまったときのために
常時チェックをし知らせてくれるアラートを併用しましょう。

熱中症の危険性を音や光で知らせる警報ツール

暑さの指数系として様々な製品が出ています。温度・湿度等を中心にいくつかの基準によって安全度を測るものです。一定の条件を超えると音や光で知らせるタイプもあります

また、置いて使うもの・携帯できるもの・カメラ用三脚で固定できるものなど
使い方も製品によってさまざまです。
個別の製品については取り上げませんが、選ぶための基本知識としてこのようなことは覚えておくと役立ちます。

WGBTって? → 暑さ指数のことです

運動時における暑さ指数の指標
(公財)日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2013)より

 

黒球式って → 日射や輻射熱も測定できる仕組みです(炎天下でも正確なWBGT値の測定が可能になります)

熱中症指数計の価格相場

熱中症指数計の値段は、高いもので30000~50000円、安いもので5000~10000円ほどです。
サイズが小さく携帯できるものもいくつかあり、工事現場の安全管理にも役立てられています。

 

次は、万一熱中症になったときにあると安心な応急処置グッズです。
温度を下げる対策をして、アラートをセットして二重に備えていても熱中症になってしまう人はいます。
年齢・体質といった個人差、寝不足・ストレスなどその時の状況によるものなど、すべての人が万全の状態で活動しているわけではないからです。

 

それでも熱中症が発生したら-応急処置用品

熱中症用応急処置品のイメージ

熱中症の応急処置用品は、AEDなどの機器とは違って比較的リーズナブルです。
予防や対策ではなく、事後対応をするための用具ですが、AEDと同じようにスポーツ施設においてあると、スタッフも安心です。

熱中症の応急処置グッズを使っても、できることは特別なことではありません。ドラッグストアやホームセンターで買える「個人向け熱中症対策グッズ」と中身はさほど違いがないからです。ただ、持ち運びしやすかったり説明書がついていたりと、「対策グッズがまとまっている」ことに価値があります。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事では、体育器具販売をメイン事業とする「東洋体機」が、学校や運動施設がより安全で効果的な基礎体力作りの場となるように、下記のような内容について書いてきました。

  • その場の温度を下げる熱中症対策
  • └屋内の場合【教室・体育館・武道場】
  • └屋外の対策【スポーツ施設・屋外イベント・グラウンド】
  • 危険を察知してくれる熱中症アラート
  • それでも熱中症が発生したら-応急処置用品

この記事で、学校やスポーツ施設がもっと安全かつ快適な場所になる手伝いができれば、とても嬉しく思います。